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和洋九段女子中学校高等学校のSDGs教育とアントレプレナーシップ

127年の伝統が育む未来

和洋九段女子中学校高等学校のSDGs教育とアントレプレナーシップをご紹介いたします。

「未来を切り開く力」SDGs教育とアントレプレナーシップ

2024年に創立127年を迎えた和洋九段女子中学校高等学校は、伝統に根ざしながらも、未来を見据えた革新的な教育を展開しています。同校が掲げる「コネクテッドスクール(外とつながる学校)」の理念のもと、校内外の多様な人々や環境との交流を通じて、日常を超えた新しい視点や刺激を受け、創造的な学びを生み出しています。

今回のインタビューでは、SDGs教育とアントレプレナーシップに焦点を当て、この学校がどのように生徒一人ひとりに「未来を切り開く力」を育んでいるのか、中学校教頭の本多ゆき先生に詳しくお話を伺いました。和洋九段ならではの教育が、これからの社会でどのように生徒たちを輝かせるのか、その一端をご紹介します。

変化のスピードと子どもたちの未来

2030年のSDGs達成は現実的に難しいとされる中で、最も影響を受けるのは今の子どもたちです。大人世代は未来をそこまで深刻に捉えず、「何とかなるだろう」と考える傾向がありますが、時代の変化のスピードが速い現代では、子どもたちがその波をいち早く感じ取っています。

かつては時代の変化がゆっくりと進みましたが、現在はそのスピードが格段に速くなり、特に子どもたちは数年ごとに新しい環境に適応しなければなりません。2030年までにSDGsが達成されるかどうかが議論される中、子どもたちは不確実な未来を生き抜くために柔軟な思考を持つ必要があります。

大人たちが10年や20年先のことを心配するよりも現在に安心しているのに対し、子どもたちは将来に対する不安を抱えているのです。そうした未来を見据える力を育むために、SDGs教育は欠かせないものとなっています。

SDGsの思考と個人の取り組み

SDGsを単に「達成」することが目的ではなく、その精神を日常生活にどう活かすかが大切です。和洋九段女子中学校高等学校では、この理念を生徒一人ひとりが理解し、行動に移すことを重視しています。

2030年までにSDGsを完全に達成することは難しいかもしれませんが、重要なのは0か100かという考え方にとらわれず、個々のレベルでできることを積み重ねていくことです。和洋九段女子中学校では、生徒がSDGsを1つのフィルターとして日常の課題に取り組み、次のステップに繋げることを目指しています。

生徒たちは、中高での先進的なSDGs教育を通じて、自分たちが社会に貢献できる存在であることを認識し、将来的にリーダーシップを発揮する力を養っています。



変化する職業観とアントレプレナーシップ

現代の若者は、職場や社会の変化に対する適応力が求められています。「一つの会社にずっと勤める」時代は終わりつつあり、自分自身の価値をどのように発揮するかが重要です。

以前は、終身雇用が当たり前とされていましたが、現在の若者たちは「この職場での未来が見えない」と感じた瞬間に、ためらわずに次のステップに進む傾向があります。このような流れの中で、和洋九段女子中学校高等学校では、アントレプレナーシップを養う教育を重視しています。

アントレプレナーシップとは、自らの強みを活かし、新たな挑戦に踏み切る力を指します。生徒たちが自分自身に何かできるという自信を持ち、経験を通じてアイデアを形にするスキルを磨くための「仕掛け」を用意しています。


文部科学省資料より



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実践的なプロジェクトを通じた学び

成城大学との共同プロジェクトで、高校1年生が長野県飯綱町・芋井地区で研修旅行を行います。研修では農業体験や地元の方々への聞き取り、成城大学の教授や学生とのディスカッションを通じて、地方創生の具体的なアイディアを考え、アクションを起こすことを重視しています。

文化祭で研修成果物を発表し、地元に提案し、商品化へと進めます。例えば、高校3年生はリンゴを使ったシードルのラベルコンテストを行い、選ばれたデザインのシードルが販売されるという成果を上げました。この経験が次のアクションへと繋がることを期待しています。

新型コロナウイルスの感染拡大で修学旅行の中止という困難をも、学びのチャンスに変えています。生徒たちが主体的に取り組むプロジェクトが、生徒の創造力と実行力を育てる一助となっています。

例えば、修学旅行が中止になった際には、代わりに衣装を考えるプロジェクトが立ち上がり、生徒たちはさまざまなシチュエーションに合わせた服装をデザインしました。このような具体的なテーマは生徒の興味を引きつけ、彼女たちが自分のアイデアを自由に発揮する場を提供します。

また、125周年記念グッズの開発プロジェクトでは、新しいロゴを使った商品アイデアを生徒たちに提案させ、彼女たちの意見を尊重しながら実現に向けたプロセスを経験させました。このような活動を通じて、生徒たちは自分のアイデアを現実のものにする達成感を味わい、価値ある発信を行う力を養っています。

SDGs教育とアントレプレナーシップの結びつき

SDGs学習は、持続可能な社会の実現に向けての取り組みであるだけでなく、生徒たちにアントレプレナーシップを育てる貴重な場でもあります。

和洋九段女子中学校では、SDGsの教育が単なる知識の習得にとどまらず、生徒たちが自ら行動する力を養うための実践の場となっています。SDGsというフィルターを通して社会を見つめ直すことで、新たな課題が浮かび上がり、その解決に向けて生徒たちがアントレプレナーシップを発揮しています。

企業においてもアントレプレナーシップが重要視されており、新たな価値を生み出すための挑戦が行われています。和洋九段女子中学校では、生徒たちがこうした挑戦を自らの未来に活かせるよう、多様な選択肢を提供し、持続可能な社会のリーダーとなる力を育てています。

SDGs教育とアントレプレナーシップを実現するPBL型授業

和洋九段女子中学校高等学校では、PBL(Problem Based Learning)型授業を通じて、生徒の自由な発想力と論理的思考力を育む教育改革が進められています。この 授業法は全教科・全学年で実施されており、批判をせずに意見を述べる環境を整え、生徒一人ひとりが安心して参加できるようにしています。

PBL型授業は高い成果を上げており、生徒たちの積極性と成長を促し、PBLを通じて生徒同士の協力体制や絆が深まり、互いに得手・不得手を理解し合いながら学ぶことができる土壌が築かれています。

さらに、1人1台のタブレットを活用したSTEAM教育や、教科横断・学年縦断型のPBL授業が行われており、多様な体験や人間関係の構築を助けています。これにより、校内はより明るく活気に満ちた雰囲気となっています。