【函嶺白百合学園高等学校】生徒達が商品開発!アントレプレナーシップ教育
自然豊かな箱根の立地の中で、「新時代の国際人」の育成を目指す女子校、函嶺白百合学園中学校・高等学校。生徒がそれぞれの個性と才能を伸ばしていけるように、少人数制のクラス編成で一人ひとりに寄り添い、きめ細かく丁寧な指導を行ないながらも、「起業家精神の育成」「確かな語学力の習得」と、進化し続ける函嶺白百合学園中学校・高等学校の教育内容をレポートします。
my SPECIAL ONE(2024年8月発行)
首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立中学校・高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えしたいと思います。今回の記事についても、この情報誌と連携しております。ぜひ、ご期待ください。
(写真)『my SPECIAL ONE』2023年版表紙
函嶺白百合学園とは
函嶺白百合学園中学校・高等学校(かんれいしらゆりがくえん)は、神奈川県足柄下郡箱根町強羅にあるカトリックの私立の女子校です。函嶺白百合学園は、フランスにあるシャルトル聖パウロ修道女会を母体として設立されました。
教育の理念として、「従順」「勤勉」「愛徳」の精神を掲げており、これらはそれぞれ「真の自由を知るよろこび」「能力をみがき役立てるよろこび」「受けるより与える事を知るよろこび」を示しています。
函嶺白百合学園の校章は、聖母マリアのシンボルである百合の花を形どったもので、白百合の清純さと気高さを象徴しています。また、制服は夏は白、冬は濃紺のセーラー服で、胸元のタイと襟にある3本の白線が特徴的です。
教育の柱として「一人ひとりを大切にすること」を掲げ、生徒がそれぞれの個性と才能を伸ばせるように、きめ細かく丁寧な教育を行っています。また、国際人の育成にも力を入れており、社会に奉仕するために「国や人種を超えて互いの違いを認め合い、愛しあうことの出来る人」を目指しています。
生徒達が商品開発!函嶺白百合学園の探究学習
函嶺白百合学園教諭、黒部先生が見せてくださったなんとも美味しそうなパンの写真。なんと函嶺白百合学園の生徒たちが富士屋ホテルさんと一緒に開発した「Z世代のリピーター化のために新しい名物を開発しよう!」をテーマにしたオリジナルパンだと言います。
▲写真:富士屋ホテルPICOTで販売されたパン
創立75周年を迎える伝統校、函嶺白百合学園中学校・高等学校。新時代の国際人を目指して、「学力の充実」はもちろんのこと、「アントレプレナーシップ育成」(起業家精神の育成)を軸に様々な活動を実施しています。
箱根ならではの地の利を生かした「体験を通して学べる場」を設け、中学生は箱根の自然や歴史や観光事業について学びます。高校生は進路探究と題し、世の中を改変する人々の精神や社会が抱える課題、起こり得るであろう問題への解決をテーマにした、プロジェクトをベースとして学ぶPBL型(Project Based Learning)の授業、いわゆる「課題解決型授業」に力を入れています。
▲写真:商品開発打合せの様子
富士屋ホテルさんとのコラボ商品開発もこのPBL型授業の取り組みの一環です。黒部先生は、「函嶺白百合学園では、様々な企業からいろんなお題をいただいて、それを女子高生の目線で解決していくという、これからの社会で必要な力を身につけられる授業に力を入れています。子供達はこの授業に本当に、積極的かつ楽しそうに取り組んでいます。もちろん楽しいことだけではなく、大変なことやうまく行かないことにも直面します。1つの商品を開発するのにこんなにも大変なのか…と諦めてしまいそうになることも沢山あったと思います。しかしその度に、仲間と協力し合い本気で大人とぶつかり一人ひとりが全力で自分たちの実現したいことをカタチにするための提案をしていきました。子供達の日々成長していく姿に、私自身も驚かされることも本当に多いです。今回生徒達が開発したパンは売れ行きも好評で、発売延長したほどなんですよ。」と嬉しそうに語ります。
これからの時代に求められる「自立」「協働」「創発」という力を育むことができるのも、函嶺白百合学園がより良い社会を目指し、生徒が主役となれるよう、学校、地域が一丸となって本気で教育に向き合い取り組んでいるからこそだろう。
「新時代の国際人」を目指し、確かな語学力習得を実現
函嶺白百合学園高等学校では、学力の応用と発展を追及した選択授業を実施し、特に高校2・3年では各自の進路に応じて、ごく少人数でも開講される選択授業を行っています。特に語学学習にはより力を入れていて、AIを活用した英語学習(個別学習)や中国語会話、フランス語講座など、様々な語学を学校生活の中で学ぶことができます。
▲写真:(フランス語選択者)ベルギー大使・大使館の方々と交流の様子
毎週火曜日はEnglish Dayで、英語を校内で積極的に使う日としています。朝礼や先生のお話が英語であるほか、職員室でのご挨拶や授業・ホームルーム、終礼等も英語で行います。希望者には夏休みの2週間を利用したオーストラリア研修で、ホームステイをしながら現地の学校に通い、ホストファミリーや現地校の生徒達との交流の中で、これまで培ってきた語学力やコミュニケーション力を試す実践の場を提供しています。
▲写真:オーストラリア研修(希望者)の様子
また、「新時代の国際人」を目指しSDGs教育にも力を注いでいます。国際的な感覚をしっかりと身につけた上で、学校で学んだことを実際に使っていく場面が多数あるのも特徴的です。
卒業後の進路についても、姉妹校である白百合女子大学を始め、多数の大学の指定校推薦枠があります。少人数の学校なので、たくさんの選択肢の中から自分の希望する進路に合った大学を選ぶことができます。特に国際関係に長けている大学(上智大学・慶應義塾大学・津田塾・フェリス女学院大学等)への進学者数を伸ばしているのも、日々の学習の賜物だと言えるでしょう。
生徒達一人ひとりが目の前の偏差値だけに捉われることなく、自らの得意を活かした本当の進路選択ができるのも函嶺白百合学園高等学校の大きな魅力の一つといえます。
距離的・時間的に通学が困難な生徒に勉学と生活の場(寮)を提供
函嶺白百合学園には、距離的・時間的に通学が困難な生徒に勉学と生活の場(寮)を提供しています。通学時間を省くことができるため、様々なことに集中して取り組めるとしてとても好評の函嶺白百合学園の「マリア寮」。寮には専任の寮母や教員が常駐しているため、サポートも充実しており、勉強や生活において困ったことがあれば、すぐに相談できる体制が整っているため、初めての寮生活でも安心して過ごせます。
また寮生は栄養バランスの整った食事が三食用意されます。お昼ご飯は学校の昼食時間に合わせて毎日学校に届けられるので、寮生は可愛らしいお弁当箱に入った栄養バランスの整った「温かいお弁当」を毎日食べることができます。黒部先生も「寮のお弁当は、美味しいと生徒達からもとても人気です。温かいご飯がお昼も食べられるのは子供達にとってとても大切だなと思います。」と語ってくれました。
▲写真:マリア寮 食事の様子
学習サポートに関しては、毎晩19:30~21:30の2時間、「学習室」で授業の予習や復習、宿題などを行います。試験期間などは学習時間に限らず、学習室を利用して多くの寮生が学習しています。友人たちと学ぶことで切磋琢磨しながらも、学習サポートの先生にわからないところはその場で質問できるので、自宅で学習するよりも学習が捗る生徒様もいるようです。
また原則として毎月月末の週末と三連休は、金曜日の放課後に全員帰省することになっています。 毎週末帰省する生徒も多いですが、部活などがある生徒たちは寮に残っています。様々なニーズに 合わせて寮をうまく活用して子供達が活き活きと生活できるよう工夫がされています。
大人達も様々な働き方が広がってきた昨今、子供達も同じように一人ひとりの個性や事情に合わせて学校生活を送ることができるのは、函嶺白百合学園だからこそできることなのかもしれません。子供達は共同生活を通して、協力する心や思いやり、コミュニケーション能力が養われ人間性の成長を図ることができるといえます。また、寮内での行事やイベントを通じて生徒同士の絆も深まり、今後長く続いていく人生の中でかけがえのない友人ができるかもしれません。
▲写真:マリア寮 学習の様子
函嶺白百合学園広報部長関田先生は、「マリア寮の生徒たちは、お洗濯・食事の片付けなど、自宅にいる頃には保護者の方たちがやってくださっていたことを自分たちで経験することで、自分でできることも増え、自立した女性として社会で輝く子が多いのではないかと思っております。一人ひとりの個性を活かした学校での『アントレプレナーシップ』を育てるPBL型授業に加え、希望者に提供できる温かな生活の場「マリア寮」も函嶺白百合学園がある箱根という立地だからこそ良さが発揮できると思っています。ぜひ一度遊びに来てください。」と、関田先生自身がキラキラとした表情で語ってくださいました。
そんな先生の表情を見て、学校全体で子供達と共に、教育を通して楽しんで日々過ごしているのだと改めて感じました。箱根の高台に佇む函嶺白百合学園中学校・高等学校。距離というハードルを遥かに超える素晴らしさがそこにはありました。ぜひ一度実際に足を運んでみて頂き、自然の中で笑顔いっぱいに輝く生徒達をみてほしいと思います。