【駒込高等学校】Light Up Your World! ~一隅を照らす~
駒込中学校高等学校(東京都文京区・共学校)は、「生徒一人ひとりが光り輝く人間になってほしい」と考えています。今回は、高等学校のSTEAM教育(数学をベースに情報工学を加味した教育)に基盤をおいた「理数先進コース」の探究活動を紹介いたします。
my SPECIAL ONE(2024年8月発行)
首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立中学校・高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えしたいと思います。今回の記事についても、この情報誌と連携しております。ぜひ、ご期待ください。
(写真)『my SPECIAL ONE』2023年版表紙
駒込とは
駒込中学校・高等学校は、東京都文京区に位置する天台宗系の私立学校で、1926年に創立されました。グローバル教育に力を入れており、英語4技能をバランスよく学ぶプログラムやネイティブスピーカーとのティームティーチング、シンガポールやマレーシアへの修学旅行などを実施しています。また、ICT教育にも積極的で、電子黒板やタブレット端末を活用した授業やアクティブラーニングを推進しています。さらに、STEM教育にも力を入れており、科学、技術、工学、数学の分野を統合した教育を提供し、外部コンテストへの参加も奨励しています。進学実績も高く、多くの卒業生が国立大学や早稲田大学、慶應義塾大学などの難関校に進学しています。部活動も盛んで、剣道部、野球部、サッカー部、吹奏楽部、演劇部など多彩な運動部と文化部が活動しています。
理系先進コース
駒込高等学校の理系先進コースは、最先端のSTEAM教育を実践することを目指しています。具体的には、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、教養・芸術(Art)、数学(Mathematics)の各分野を統合した教育を提供しています。独自の授業としては、「STEAM特別講義」「科学倫理」「実践数学」などがあり、フェルミ推定やロジックツリーなどの思考法、学術論文調査、資料作成や発表、議論を通じて判断力や表現力を養成します。
また、外部コンテストやSTEAMCAMPなどの課外活動も積極的に行い、実際の社会問題を科学技術で解決する方法を模索し、実装することを目指しています。例えば、WRO(WORLD ROBOT OLYMPIAD)では「農業支援ロボット」を制作し、全国大会に出場するなどの実績があります。
さらに、埼玉大学STEM教育研究センターとの共同授業や、企業や弁理士との連携による特許申請など、多様な学びの機会が提供されています。
今回は、「理系先進コース」の高校3年生の個人探究について紹介いたします。
▲写真:理数先進コース高校3年生のメンバー
事例1)ポケモンカードを色ごとに仕分ける機械
この探究では、赤外線センサーを使ってカードの色を読み取り、分類することを目指しています。しかし、光の影響で正確な数値が得られないなどの課題に直面しています。秋葉原で実際に必要な部品を購入し、試行錯誤を繰り返しながら、最終的には画像認識技術を使ってカードを分類する方法を模索しています。ゴールは、カードを効率的に分類し、最終的にはAIを使ってデッキを自動生成したいとのことです。
事例2)VRにおける新しいコミュニケーションツール
この探究では、VR上のキーボードがない環境での入力を可能にするために、画面上にフリック入力ができる仕組みをつくり、使いやすさを向上させることを目指しています。比較実験を通じて、どの方法が最も使いやすいかを研究。スマホの入力に慣れている人々にとって使いやすい方法を模索し、音声入力が難しい環境でも利用できるようにしています。最終的には、VRにおける新しいコミュニケーションツールとしての利用を目指しています。
事例3)荷物を動いている人に直接届けるシステム
この探究では、人が所持しているスマホの位置情報を利用して荷物を追尾し、自宅や指定場所ではなく、動いている人に直接届けることを目指しています。現在は、スマホやパソコンと連動して距離を測定し、プログラムを通じて自動で動くシステムを研究中。数値の変動や遮蔽物の影響などの課題に直面しています。最終的には、荷物をより効率的に届けるためのシステムを完成させることです。将来的にはAIや自動運転技術を組み合わせてさらに高度なシステムを構築することを考えています。
事例4)煙に映像を映し出す「フォグスクリーン」
この探究では、煙に映像を映し出す「フォグスクリーン」を作成し、文化祭で料理から出る煙に映像を投影することで、待ち時間を楽しめる演出を目指しています。煙を安定して発生させるために、グリセリンと水を混ぜて火にかける方法などを試していますが、なかなかうまくいきません。現在は、市販の煙発生器を使って実験を進めており、煙をスクリーンとして利用するための最適な方法を模索しています。
事例5)ドローンをゼロから作る
この探究では、高校生が基盤から設計し、部品を選定してドローンを作成しています。ドローンを作ることだけが目的ではなく、技術を学び、やりたいことを実現するための基礎を築くことが真の目的とのことです。プロペラやモーターの選定、バランスの調整、プログラミングなど、さまざまな技術を学びながら進めています。市販のドローンと同じ仕組みを持つドローンを自作しながら、実験を繰り返しながら改良を重ねています。