1月20日、幕張メッセにて市川中学校の第1回入学試験実施
2024年1月20日に千葉県の中学校入試が開始されました。特に毎年、幕張メッセで実施される市川中学の受験は大きな注目を集めています。第1回入試では、「一般入試」に2,537名(男子1,675名、女子862名)、「4科帰国生入試」に50名(男子28名、女子22名)が志願し、合計2,587名の受験生がこの入試に挑みました。(取材・撮影/北岡優希)
千葉県の入学試験は、受験する生徒により異なる重要性を持ちます。一部の生徒にとっては、最優先の志望校への入学を目指す大切な試験であり、他の生徒にとっては、2月1日に始まる東京での本格的な受験シーズンに備えるための予備試験として位置付けられています。
私が海浜幕張駅に到着した時刻は、朝の6時30分頃でした。その時点では、受験生とその家族の姿はほんの数えるほどしか見られませんでした。しかし、20分ほど経過すると、改札口が人々で溢れかえるほどになりました。
様々な表情を見せる受験生親子
大寒の特有の冷え込みと清らかな空気が、朝日によって優しく照らされていました。その中を進む受験生とその家族は、それぞれに異なる表情や会話をしており、中にはまるで買い物に出かけるかのように楽しげに談笑する親子もいれば、一心に参考書を眺め歩く受験生の後を、丁寧にコートを整えつつ追う親子の姿も見受けられました。
改札口を抜けると、先生たちが案内のためにプラカードを持ち、寒さをものともせずに案内をされていました。これにより、受験生とその家族は安心して試験会場へと向かうことができます。幕張メッセへは徒歩で約10分の距離にありますが、混雑時にはほぼ絶え間なく続く行列ができます。駅を出た直後のエスカレーターは長蛇の列ができており、多くの親子が少し離れた階段を使っている様子も見られました。
在校生の堂々とした案内
行列に沿って歩いていくと、試験会場の入口である中央エントランスが見えてきました。この場所で保護者とはお別れになります。ほとんどの親子が最後の声掛けを入念にされていました。まさに「中学受験は家族一丸」という光景がそこに広がっていました。そのため結構な混雑になっていたのですが、先生方が見事に捌いており、混乱する様子は一切見られませんでした。
中央エントランスの周辺には在校生たちが立ち、清々しい挨拶をしていました。彼らの案内する様子は、案内を務める教員たちにも劣らないほどの堂々としたもので、これを見た保護者たちは「入学後も安心して子どもを任せられる」と感じたことでしょう。
保護者控室は幕張イベントホールになります。そこは最大9,000人を収容できる広大なもので、その広さに圧倒される保護者たちが内部の全景を撮影している姿が多く見受けられました。もちろん、ホール内は快適な室温に保たれており、飲食物を購入できる施設も完備されているため、試験終了までの約5時間を落ち着いて過ごすことができます。
約2,600名が同時に試験を開始する瞬間
会場に足を踏み入れた受験生たちは、トイレを訪れたり、静かに集中を深めたりと、試験に臨む準備をそれぞれに進めていました。
試験会場内部は、広い空間を100名ずつのグループに区切り、各グループには試験監督を務める先生と数名の在校生が配置されています。彼らは試験用紙の配布やトイレへの案内、さらには細かな注意事項の説明を行い、重要なアナウンスは放送を通じて行われます。膨大な人数が集まるにも関わらず、放送が流れる間は驚くほどの静けさが保たれ、周囲の微かな音さえ聞き取れるほどの静寂が広がっていました。
1時限目の国語試験が始まる8時35分、帰国性も含めて約2,600名の受験生が一斉に問題用紙を開きました。この瞬間に込められた彼らの思いは、ページをめくる音に乗って、会場の2階に位置する私たち報道陣にも伝わるかのような感覚を与えました。
受験生一人ひとりが戦いの場に投じる姿を目の当たりにし、その光景を心に刻み込みました。試験会場を後にすると、古賀理事長および及川校長先生からお話があり、今年度は校外活動により積極的に取り組み、生徒たちが最大限に能力を発揮できるよう環境を整えていくということを強調されました。英語教育や留学にも目を向け、「トビタテ!留学JAPAN」という、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として、文部科学省が始めた留学支援プログラムには今回11名が合格し、これはなんと学校別採用生徒数1位とのことです。
探究学習にも力を入れる同校では、授業が常にオープンであり、授業見学がいつでも可能です。厳しい校則に縛られることなく、高品質の授業を提供し、生徒一人ひとりの個性を尊重し伸ばす教育方針を目の当たりにすると、多くの受験生が集まる理由も当然のことと言えます。