東京成徳大学中学 2/5実施「DL選抜入試」レポート
東京成徳大学中学校(北区・共学校)では、「Distinguished Learner(ディスティングウィッシュト ラーナー)選抜入試」の実施、2年目をむかえました。Distinguished Learner(DL)とは自律した学習者を意味し、同校が求める成長してほしい生徒像です。このDL入試はその資質を探るべく、学力試験では測れない才能を見出す入試です。2月5日実施の様子をお伝えします。
Distinguished Learner選抜入試とは
東京成徳大学中学校では6年間の一貫教育を経て、生徒たちに自律した学習者(Distinguished Learner) に成長してもらいたいと考えています。Distinguished Learner選抜入試(DL入試)はそうした資質を持った生徒を選抜する試験。東京成徳学園の教育ビジョンである「成徳の精神を持つグローバル人材」より評価の観点を設け、通常の試験では測れない資質を持った生徒を選抜します。
評価方法は?
自律した学習者(Distinguished Learner) の資質を測るルーブリックをもとに評価をします。このことは、同校が目指す「“成徳”の精神を持った“グローバル人材”」を育成するための指標を元にしています。
※同校が求めるグローバル人材とは、①主体的な思考、意見を持ち行動できる、②チャレンジ、リトライができる、③多様性を理解し、受容し、多様なものと連携できるマインドがある、④日本人としてのアイデンティティを持つこと。
Distinguished Learner選抜入試の流れ
【個人のアイデアの創出】
課題の問題に対して各自がアイデアを出します。各自の視点で自由に回答を作成します。回答の方法はiPadで作成しても、所定の用紙に書き込んでも構いません。
【アドバイスと再考】
個人課題の中間地点では採点官よりアドバイスが行われます。各自がアイデアの整理を行い、自分の考えているアイデアを再考します。
【個人のアイデアの発表】
試験①で作成したアイデアをグループに分かれて発表します。
【グループでのアイデアの創出】
各自で持ち寄ったアイデアをもとに最良のアイデアとなるように練り上げます。
【プレゼンテーションにてアイデアの発表】
グループで練り上げたアイデアを発表します。
※成績上位者には入学金&施設費と2年間の授業料免除のA特待資格もしくは入学金&施設費免除のB特待資格を付与されます。2月5日以前に合格をしている受験生も「Distinguished Learner選抜入試」をチャレンジしていました。
24年2月5日入試の様子
▼試験① 個人課題の試験会場です。受験生には、iPad,色鉛筆、はさみ、のりなどアイデアを表現するツールが準備されています。
▼試験① 個人課題の実施風景です。受験生は、集中して考え、iPadを活用して調べ、用紙やiPadに表現していきます。インターネットからダウンロードした資料を貼り付けるのも可能。まずは、自分なりにまとめていました。
▼試験① 個人課題の中間地点で、採点官よりアドバイス。受験生は、アイデアの整理を行い、アイデアの再考とその表現に一生懸命です。より良いものとして再構築できるかが勝負です。
▼試験② グループワークの様子です。まず、試験①で作成したアイデアをグループ内の受験生同士で発表し、共有します。その後、各自で持ち寄ったアイデアをもとに、グループで最高のアイデアとなるように、ワークをすすめていきます。グループワークの際にもアイデアをまとめやすいように、ホワイトボードや模造紙などが準備されていました。入試当日に組んだグループですが、役割分担をして積極的に活動していたことが印象的でした。
▼試験② プレゼンテーションの様子です。発表についてもグループ内で役割分担の有無は、各グループの裁量に任されます。模造紙をつかった発表に加えiPadをつかった発表もあり、表現も自由です。この入試に正解はないということがわかります。
東京成徳大学中学校とは
東京成徳の創立はおよそ100年前となります。様々な歴史を経て、中高一貫の東京成徳中学・高等学校は1998年に創設されました。しっかりと寄り添い生徒への思いも熱い教員が70名ほど在籍し、それぞれの分野に情熱あふれる先生が多いです。生徒は、7割以上が東京都内から通っています。ついで埼玉県の生徒が多くなっています。また、特待生制度を利用して学業に励んでいる生徒がいるのも特徴です。
授業では、iPadを利用したICT教育(探求型授業)や留学を見据えた英語に定評があります。2020年から始まるDiversity Seminar(ダイバーシティ ゼミナール)では、自分で考え、主体的に行動していく素養を養います。