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受験情報ブログ

2024年1月10日 栄東中学校 A日程入試レポート

受験生とその保護者を第一に考えた入試プロセス

1月10日午前、栄東中学校ではA日程入試が行われました。(取材・撮影/北岡優希)


JR宇都宮線の東大宮駅から歩いて10分ほどの場所に位置する埼玉県の栄東中学校は、首都圏において中学入試シーズンをいち早く迎える学校の一つです。この日を境に中学受験の幕が開けると言っても良いほどで、毎年数多くの受験生がこちらに足を運びます。栄東中学校でのA日程入試は3つの会場に分けて行われ、合計で6000人以上の受験生が参加する大規模なものです。そのうち、栄東中学校で受験する生徒は約3000人を超えるということです。

受験生に余計な不安は与えないように環境づくりにも力を入れる

コロナ禍が始まった3年前、どのように対応するかについて、栄東中学校では何度も会議を重ねたと聞いています。今や一般的になったサーモカメラも、この学校は非常に速く導入した先駆者の一つです。学校運営では年間の予算が決められているため、突然の大きな出費は通常難しいものです。しかし、受験に来る生徒や保護者に「安全で安心な環境」を提供するため、急いでサーモカメラの導入を決定したそうです。

また、保護者の待機スペースが密になることを防ぐため、学校は校庭を駐車場として利用可能にしました。最大250台を収容できるため、保護者は車内で待機することもできます。

集合時間は9時設定ですが、7時30分にはすでに到着している受験生もいます。他の学校では開門時間が厳格に決められているところもありますが、栄東中学校は受験生を寒い外で待たせることなく、早い時間から校内に待機スペースを提供しています。

受験に来てくれて「ありがとう」の精神 校長先生の想い

栄東中学校では、保護者の方々がリラックスして待てるように体育館を保護者控室として開放しています。以前は、田中淳子校長先生が直接、保護者の方々に温かい飲み物や軽食を手渡ししていたそうですが、コロナ禍の影響でそれが難しくなりました。その代わりとして、校長先生は受験生に何か特別なものを提供しようと考え、2年前から文房具や消毒セットなどを贈るようになったそうです。

教室への誘導も生徒のことを考える

通常、受験番号に基づいて受験生は教室を探して入室するのが一般的ですが、その方法では入口が混雑したり、どの教室に行けばいいのか迷う受験生が出たりすることがあります。しかし、栄東中学校では異なるアプローチを採用しています。同校では「先着順」で、空いている教室に受験生を順に案内する、ディズニーランド駐車場方式を採用しています。このため、この写真に写っている教室の受験生たちは、受験番号が異なっているのです。さらに、机にはQRコードシールが置かれており、受験生はそれを自分の答案用紙に貼ることで、試験管理を行っています。こちらも田中校長先生のアイデアで、受験生が無駄に待たされることなく、試験をスムーズに進められるよう配慮されています。

去年まで各机につけていたアクリル板も今年からなくなり、従来の形になりました。サーモカメラによる検温や手指消毒は行っていますが、基本的にはコロナ禍以前の受験の雰囲気に戻ってきた感じがします。

栄東中学校は受験生や保護者を最優先に考え、入学後も生徒一人ひとりを大切にする姿勢を持っている学校です。東大特待クラスでの実績もあり、先生方の指導力にも疑いの余地はありません。

入試の日にこれだけ人を大切にするのなら、入学後も安心して預けられる学校だと思いました。