【教育関係者対象】ウェルビーイング教育セミナーをレポート!
首都圏模試センター主催で【ウェルビーイング教育セミナー(無料)】を開催!「全員が笑顔!ウェルビーイング教育で学校全体を幸せに」をテーマとし、教育関係者対象に新渡戸文化中学校・高等学校で実施されました。その様子をレポートいたします。
ウェルビーイング教育とは
ウェルビーイング教育は、学習者の心身の健康と幸福を重視し、ストレス管理、感情認識、ポジティブ思考などのスキルを教え、学業成績だけでなく総合的な幸福感を促進する教育アプローチです。近年、学校や教育機関でウェルビーイング教育の重要性が認識され、実践が進んでいます。生徒たちが自己肯定感を高め、ポジティブな心の状態を維持しながら成長し、幸福な人生を築くための基盤を築くのに役立つ取り組みです。
<第一部>16:20~16:55
【キーノートスピーチ】
中曽根 陽子(子育て教育探究ナビゲーター)
第一部は、子育て教育探究ナビゲーターである中曽根陽子さんより講演。「ウェルビーイング」とはどういうものなのか、なぜ今「ウェル―イング」が重要視れているのかをテーマにスタート。「持続可能な社会の実現のためには、個人と社会のウェルビーイングの実現が必要」という言葉が印象的でした。続いて、「ウェルビーイング教育」とその効果について、説明。「ウェルビーイング教育」の目的は、学業達成ではなく、生徒の自身の幸せであるとのこと。幸福度を高め、持続する行動習慣を学校で生徒に教えることが重要であり、そのためには先生が意識することの大切さを共有いただきました。
<第二部>16:55~17:15
【話者】
山藤 旅聞 副校長(新渡戸文化中学校・高等学校)
奥津 憲人 ブランディングデザインチーフ(新渡戸文化中学校・高等学校)
第二部は、ウェルビーイング教育に取り組んでいる新渡戸文化の山藤旅聞先生、奥津憲人先生より講演。奥津先生より、新渡戸文化学園で目指している「ハピネスクリエーター」を育てることが「ウェルビーイング教育」につながると語ってくれました。不安定な未来を生き抜くための基礎力を養う教科学習(Core Learning)、教科を横断した広い視野で物事を捉える力を養う教科横断授業(Cross Curriculum)、生徒たちが生徒たちはそれぞれの学びや問いから始まる社会課題に挑戦するチャレンジ設定学習(Challenge Based Learning)。これらの頭文字をとった3Cカリキュラムを通じて、最上位目標「自分と社会の幸せを創り出すHappiness Creatorの育成」を目指していると紹介されました。
また山藤先生からは、具体的な事例としてスタディーツアーを紹介いただきました。新渡戸文化では観光地などを回る修学旅行ではなく、現地の現実や社会課題を体感するスタディーツアーを実施しています。今ここに実在するリアルな社会課題に触れることで、将来自分が誰を笑顔にしたいかにに出会えることが、生徒の学ぶ目的です。探究を通じて自分の意思で行動できることで、ウェルビーイングとなり、ワクワクする社会になると考えていると語ってくださいました。
<第三部>17:15~18:00
【出演者】
中曽根 陽子(子育て教育探究ナビゲーター)※コーディネーター
平方 邦行 (日本私学教育研究所 理事・所長 東京私学教育研究所 所長)
石井 俊二 キャリア・ラーニングデザインチーフ(新渡戸文化中学校・高等学校)
山藤 旅聞 副校長(新渡戸文化中学校・高等学校)
第三部は「ウェルビーイング教育を実践するために」をテーマにトークセッションが開催されました。新渡戸文化中学校・高等学校の石井先生からは、新渡戸文化の大学進学は約80%が総合型選抜や推薦型選抜で進学していると紹介がありました。また、進学後の生徒たちの進学先満足度は100%であり、それは、探究学習を通じて実現できる偏差値にとらわれない進学先の選択の賜物であると語ってくれました。山藤先生からは、新渡戸文化の高校3年生は、大学の先生の研究や人脈など調べて訪問していると紹介いただきました。学校や関わる大人がさまざまな価値観にとらわれず、生徒に接することで、安心してチャレンジできる環境ができると語ってくれました。
平川先生からは、学校(教育)におけるウェルビーイングで重要なことは、「コミュニケーション」と「建学の精神」を大切にしていくことだと共有いただきました。生徒同士、先生と生徒のコミュニケーションの質が様々なことに左右されるだろうと紹介いただきました。また、家庭の教育方針と学校の建学の精神が一致していることが大切であり、ウェルビーイングにつながると語ってくれました。
新渡戸文化とは
Happiness Creatorの育成
新渡戸文化中学校・高等学校には、自分だけでなく社会の幸せも生み出すHappiness Creator(しあわせ創造者)という最上位目標、”育てたい生徒像”があります。
不安定な未来を生き抜くための基礎力を養う教科学習(Core Learning)は、AI等を用いて個別最適化されており、それぞれの120%を目指しています。また、教科を横断した広い視野で物事を捉える力を養う教科横断授業(Cross Curriculum)は、「好きなこと」や「自分の関心」から始まる探究学習として、毎週水曜日、丸一日を使って実施しています。そういった学びがさらに発展した学びがチャレンジ設定学習(Challenge Based Learning)で、新渡戸文化の生徒たちはそれぞれの学びや問いから始まる社会課題に挑戦しています。これらの頭文字をとった新渡戸の3Cカリキュラムは、Happiness Creatorを目指した生涯にわたって学び続ける「自律型学習者」を育てる独特なカリキュラムといえるでしょう。
3つのコンピテンシーと4つのハピネスマインド
コンピテンシーとは、繰り返し経験を積み重ねることで身につけることができる力です。新渡戸文化中学校・高等学校では「自らコントロールする」「他者とつながる」「新しい価値を創造する」という3つのコンピテンシーを掲げています。さらに、6つの具体的な力を示し、全ての授業の目的がこのコンピテンシーを育てることに繋がっています。
また、全ての生徒が取り残されることなく学べる「心理的安全性」を高めるために、4つのハピネスマインドを大切にしています。生徒たちが自分らしく、今の自分を肯定し、できないことを可能性と感じながら、「ありがとう」を生み出すために「やってみよう」と学び出す。これが全ての教育活動でチャレンジを生み出す土台となっているといえるでしょう。