【文京学院大学女子中学校 高等学校】理数キャリアコース
文京学院大学女子中学校 高等学校(東京都文京区・女子校)は、教育理念である「自立と共生」を根幹に据えて、 「自立した学習者の育成」「世界標準の学力と人 間力」日本型教育の継承と発信」「人生 100 年時 代の永久サポート校」を目標として、教育活動を行 っています。今回は、高等学校の「理数キャリアコース」を中心にご紹介いたします。
my SPECIAL ONE(2023年8月発行)
首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立中学校・高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えしたいと思います。今回の記事についても、この情報誌と連携しております。ぜひ、ご期待ください。
(写真)『my SPECIAL ONE』2022年版表紙
文京学院大学女子とは
文京学院大学女子中学校 高等学校は、東京都文京区本駒込六丁目にある私立の女子中学校・高等学校(中高一貫校)です。1924年に「女性の自立」を掲げて開校して以来、時代に先駆けた教育活動を行い、国際社会に貢献できる人材の育成を目指しています。近年では、文部科学省指定スーパーサイエンスハイスクール(2012~2017)、スーパーグローバルハイスクールアソシエイト(2015~2019)、ユネスコスクール(現在)としても活動し、20年後も、しなやかに、たくましく生き抜ける力を育んでいます。文京学院大学女子高等学校には、「理数キャリアコース」と「国際教養コース」の2つのコースがあります。生徒個々が様々な教育活動を通して、自分の 「好き」と「得意」を究め、「好き」と「得意」を生 かした進路実現ができるように導いていきます。
理数キャリアコースは、SSH(スーパーサイエンスハイスクール:2012~2017年度)指定校として開発したカリキュラムをもとに、探究力を養い、科学を通して国際社会に貢献できる人材を育成します。【写真】高2「理数探究」の様子
総合文系コースとして文系、準理系、芸術系と幅広く進学先を選択で着るカリキュラム。国公立難関私大への進学を 一般受験で目指す T クラス、探究活動の成果を生かした受験で進学することを目指す A クラスに、高校 2 年生から は、海外大学進学を視野に入れた S クラスが加わった 3 クラス制です。【写真】SMK St.Mary School との交流の様子
理数キャリアコース
国公立難関私大の医学、薬学、理学、工学部への進学を一般受験で目指 す T クラスと、探究活動の成果を生かした受験で進学することを目指す A クラスの 2 クラス制です。協働での学びも多くあります。英語で学ぶ「コラ ボ授業」を受けたことで、大学進学後の学びがスムーズだったという卒業 生からの感想も多く寄せられています。
JSEC2022(高校生・高専生科学技術チャレンジ)において協賛社賞(ソニー賞*5 位相当)に入賞した2 名が、日本代表メンバーとして「ISEF(国際学生科学技術フェア)2023」に出場し、「材料科学部門」において「優秀賞4等」を受賞するという快挙を成し遂げました。この大会はアメリカで行われている高校生の自由研究の国際大会で、2023年は64の国と地域から1,638名のファイナリストが参加をしています。このファイナリストは、各国や地域で非常に優秀な研究をしたと認められた学生達です。今回の日本代表メンバーのなかで「グランドアワード」を受賞したのは11テーマ中の3テーマのみ。文京学院大学女子の生徒の活躍は日本という国の学生研究活動における大きな成果になっております。この結果を受け、2名を含む優秀賞に選ばれたメンバーは文部科学大臣賞に受賞しました。生徒2名の研究タイトルは以下通りです。「Analyzing a 400-Year-Old Mystery, the Makeup Method of Producing Green with Ink Charcoal and Beni」 (「JSEC」参加時のタイトルは「赤い紅の『見える緑』『見えない緑』『光る緑』〜墨を用いて紅の緑色光沢を生み出す伝統的な手法の解析〜」)
「理数探究」の授業は文京学院大学女子がSSH指定校(先進的なサイエンス教育プログラムの実践高校)として指定を受けた際に設定された理数キャリアコースの特徴ある授業のひとつになります。授業は2つのパートに分かれています。1つ目は理科・数学・情報分野の実験を行い、そこからレポートの書き方をかなり詳しく学ぶものです。2つ目は個人またはグループで決めたテーマの研究活動を進めるものです。本日行ったのは1つ目にあたる科目別の実験で、PCルームで生物学実験を行いました。取り扱った内容はDNAと転写やmRNAの翻訳などのセントラルドグマについてPC上のデータベースに触れながら行う授業です。この実験の目的は単純にセントラルドグマを学ぶことだけを目的にしていません。文部科学省が推奨するICT機器の活用や、自分自身で情報を集めて選別して表現することを意識したものになります。この授業は、文京学院大学女子を卒業した理数キャリアコースの生徒が、大学入学後に最も役立ったと感じる授業としても有名です。大学では特別な説明がないまま、実験のレポート提出が求められる機会が少なくありませんが、そうした場面でこの「理数探究」の授業内でレポートを作成した経験は非常に役立っているようです。また、大学入試においても実験レポートを書く場面があり、この授業で身につけたノウハウが入試に活きたという卒業生の声も後を絶ちません。
東京都立大学にて行われた「集まれ!理系女子~第14回 女子生徒による科学研究発表交流会~」に理数キャリアコースの生徒が参加しました。この交流会は3年ぶりに対面で実施され、研究成果交流を通して、理系進学希望の女子生徒のネットワークを広げたり、講演をしてくださる女性研究者をロールモデルとしたりすることで、女子生徒の理系進学支援を行うことを目的としています。文京学院大学女子からは高校2年生12名が以下の8テーマをポスター発表しました。 コロナ禍で対面の発表をする機会が少なかった2年生ですが、「発表する前はかなり緊張していたけど、話し始めたら意外と話せて安心しました。聞いてくれてる人の顔や目、反応を見て、発表できたと思います。回数を重ねると情報の断捨離ができて説明がスムーズになったと思います」と話していました。発表を聞いてくれた人からは研究に対するコメントをもらうこともでき、今後の研究活動の励みとなりました。
AOBA×BUNKYO 藍indigo project
2023年3月、Aoba-Japan International School(A-JIS)と文京学院大学女子のコラボプロジェクトである 「AOBA×BUNKYO 藍indigo project」が始動しました。藍と現代左官を世界で初めて融合させた「藍左師」である守谷玲太氏を講師にお迎えしました。藍を通して相模湾の「海洋ごみの問題」について考え、アートを通し て発信し、問題提起していくことが今回のテーマです。両 校の生徒で、何が問題で、どう訴えるか、何度も話し合い を重ねながら作品を完成させました。生徒たちが作成したアート作品が、2023年5月「江の島国際芸術祭」で展示されました。(於:江の島サムエル・コッキング苑「UMIYAMA GALLERY」)。また、そのプレイベントとして、5月14日(日)藤沢駅北口地下広場で「藍の紙ねんど」のワークショップを実施しました。空き瓶に、藍を入れた紙粘土を貼り付け、一輪挿しを作りました。「母の日」だったため、カーネーションを手にしたお子さんも多く参加しました。ワークショップに参加しない方も、海洋ゴミを利用した生徒たちのアートを熱心に見学していました。
【写真】江の島国際芸術祭展示より
Q. AOBA×BUNKYO 藍indigo projectに参加したきっかけを教えてください。
私は中学時代にマイクロプラスチックの研究をしていました。藍を通して海洋問題に取り組むこのprojectが中学時代の研究の延長上にあると思い参加しました。
Q. AOBA×BUNKYO 藍indigo projectに参加して楽しいことはなんですか。
このprojectは、Aoba-Japan International School(A-JIS)の生徒の皆さんと一緒に取り組んでいます。英語でコミュニケーションをすることを通じて、とても刺激をうけています。また、藍に関してとても興味をもっています。藍をつかったクッキーなど藍染め以外の活用法を知ることができて、楽しく学んでいます。
Q.今後の目標などを教えてください。
藍indigo projectで取り組みは、生物や化学の学びにつながっていると思います。そのこともあり、生命科学などにとても興味をもっています。普段の理数キャリアコースでの学びと藍indigo projectでの学びを大学進学含む今後の進路にいかしていきたいと思っています。