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受験情報ブログ

【函嶺白百合学園中学高等学校】実施3年目でより進化した「PBL(課題解決型)学習」で アントレプレナーシップ(起業家精神)を育てる!

my SPECIAL ONE(2023年8月発行・高校受験情報誌)連携記事

函嶺白百合学園(神奈川県足柄下郡箱根町)が高校2年生の「総合的な探究の時間」のなかで取り組んできた「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を育てる「PBL学習」は今年で3年目を迎えます。今回は、さらに進化した同校の授業のなかで、この先のプレゼンテーションにつながるワールドカフェ形式のグループワークの様子を見せていただきました。

my SPECIAL ONE(2023年8月発行)

首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立中学校・高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えしたいと思います。今回の記事についても、この情報誌と連携しております。ぜひ、ご期待ください。

(写真)『my SPECIAL ONE』2022年版表紙

函嶺白百合学園の探究学習

~新緑の清々しい箱根の高台で“Well being”をめざして学ぶ函嶺白百合学園の探究学習~


新緑と初夏の空気が清々しい6月初旬、神奈川県足柄下郡の箱根町強羅の高台に、小規模ながら珠玉の学校施設・環境を持つキリスト教カトリック系の女子校・函嶺白百合学園中学高等学校を取材でお訪ねしてきました。

災害級といわれた大雨の影響で、前日までは航空機や新幹線、在来線までも運休やダイヤの乱れがあり、強羅までの登校路が心配されましたが、幸いこの日は影響が少なく、無事に授業が行われていました。

仏・シャルトル聖パウロ修道女会の3人の修道女が来日し、修道院を創設したことから始まった白百合学園。いま日本国内には、北海道から九州までの日本各地に、幼稚園から大学まで「白百合」の名を冠した姉妹校の教育機関が10校あり、函嶺白百合学園はそのなかで最も若い姉妹校です。

箱根の広い空と済んだ空気のもとで学ぶ小・中・高の生徒たちが日頃の学校生活のなかで感じている“幸せ度”はとても高いことが、在校生の屈託のない表情と、誰とも明るく交わされる「ごきげんよう」の挨拶から感じ取れます。

姉妹校すべてに共通の校訓は、「従順(真の自由を知る喜び)・勤勉(能力を磨き役立てる喜び)・愛徳(互いに大切にし合う喜び)」。この漢字6文字の校訓の奥には、自分を大切にしながらも、学ぶ努力をすることと、そこで高めた力を他者や社会のために役立てること、そして多様性を認めて平和な社会を築いていくことが、すべて“喜び”と表現されています。それが白百合学園の姉妹校に共通の考え方なのでしょう。最近の言葉でたとえると、「Well being(=すべての人の幸せ)」を求める考え方です。

アントレプレナーシップ育成

“地球環境を守る”探究活動やアントレプレナーシップ育成、地域振興につながる試みも!


そうした函嶺白百合学園が、学校教育と社会を結ぶ活動を実践しているNPO法人SoELa(代表理事・岡部佳文さん)のサポートを得て、今年で3年目を迎えた「PBL型」の授業・探究学習が、今回の取材で見せていただいた「アントレプレナーシップ」の取り組みです。

高校2年生が、ほぼ1年かけて「総合的な探究の時間」に取り組んでいくこのPBL型授業では、これまでにも箱根DMO(観光協会)とタイアップして、Z世代を箱根のリピーターにするための観光旅行のプランを企画したりしました。

昨年の取材では、アントレプレナーシップの育成にもつながる、飴細工アーティスト・蜜咲(みつさき)ばうさんとのコラボで行う、飴細工と飴細工職人さんの将来をよくするための商品企画を考える探究学習の発表の場を見せていただきました。

今回は、この箱根エリアの観光や商業の活性化のために、実際に地域のお店やホテルなどとコラボした商品を企画する「~Z世代のリピーター化のために新しい名物を開発しよう!~」というお題での取り組みです。

具体的には、箱根町宮ノ下にある富士屋ホテルのベーカリー&スイーツ「PICOT」の協力で、新たな「パンづくり」に取り組む班、同じく宮ノ下にある「NARAYA CAFÉ」の協力でメニュー開発に取り組む班、箱根町箱根の道の駅「箱根峠」の協力でメニュー開発に取り組む班に分かれ、それぞれで「Z世代のリピーター化のため新しい名物」を考えていきます。

この日は、前回の授業で班ごとにアイディア(企画)やコンセプトを自由に書き込んだ大きな模造紙を囲んで、さらに色々な角度から議論を深めて、企画のアイディアを再検討やブラッシュアップしていきます。

14時55分からのひとコマの授業の初めに、この「アントレプレナーシップ」授業を学内で中心になって進めてきた理科主任で生徒会顧問の黒部湧太先生から、この授業で見直して考えてみたいヒントや新たな視点が伝えられます。

その後「ワールドカフェ」形式のグループワークを行いました。10分間を1セットとして各班で話し合い、次の回ではテーブルごとにメンバーを変えて、計3セットの話し合い(グループワーク)をしました。そのなかで得た新たな気づきや着想を、模造紙に書き加えていきます。

そこには、NPO法人SoELaの岡部佳文さんをはじめ、(株)Work Happinessの奈良ちあきさん、黒部先生をはじめ、教頭の柳宣宏先生、広報委員長の関田まどか先生もファシリテーターとして、各班の話し合いに加わり、和気藹々とした雰囲気のなかで、あっという間に3セットのグループワークが終了しました。

これまでの自分たちの取り組みに加えて、こうしたPBL型の探究学習に取り組んできた先輩たちの姿や成果を間近に見てきただけに、こうしたグループワークに取り組む姿勢や、他の生徒の意見を聞いて受け入れる姿勢など、すでに慣れた様子で、各班とも開始早々から、さかんに活発な意見が交わされていたことに感心させられました。

今回の授業の最後には、NPO法人SoELaの岡部佳文さんから、さらに新しな気づきにつながるような、寸評とアドバイスがありました。

各班のアイディアをプレゼンして 商品開発へ

この後は協力してくれるお店を訪ね、各班のアイディアをプレゼンして商品開発へと進めていく!


次週以降の「探究の時間」では、各班が協力してくれるお店を、ご担当の方へのご挨拶を兼ねて訪問し、これまでに自分たちがアイディアを出し合い、検討してきた商品企画をプレゼンテーションする予定とのことです。

今回の授業が始まる前に、この「アントレプレナーシップ」授業を、函嶺白百合学園以外の学校(県立・私立)でもサポートしてきたNPO法人SoELa代表理事の岡部佳文さんは、このように話してくれました。

「OECDが2015年から進めているプロジェクト『教育2030』の提言のなかでも、『ウェルビーイングに価値を置き、それを重視した教育をすべき』と明記されているように、自分と社会との関係、学校だけでなく社会に開かれた教育を行っていくうえで、この『アントレプレナーシップ』を育てるPBL型授業は効果的です。さらに、『愛の心を持って社会に奉仕する』ということを教育目標に掲げている函嶺白百合学園とは、とても親和性が高いように思います。この授業を通じて、生徒の皆さんには、リアルな社会の課題に向き合う経験をしてほしいと考えています。PBL型・アントレプレナーシップの授業は、結果を求めるものではありませんので、その過程を通して、未来の課題を自分事としてとらえる経験ができるように願っています」

箱根の高台にたたずむ小規模な教育環境で日々穏やかな学校生活を送る函嶺白百合学園の女子生徒の皆さんが、実社会とのコラボを通して触れ合い、探究的な学びを通して今回のようなグループワークやプレゼン発表を楽しみ、やがては自分自身の将来の生き方や課題との向き合い方、そしてアントレプレナーシップをも育むことができる。

このような学びができる珠玉の教育環境とプログラムが、この函嶺白百合学園にあることを、一人でも多くの小学生と保護者に知っていただきたいと思います。

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