中村中学校の2/3実施「エクスプレス入試」レポート
中村中学校(東京都江東区)では、「2科入試」「4科入試」に加え、新しいタイプの入試「国算基礎入試」「適性検査型入試」「ポテンシャル入試」「エクスプレス入試」「帰国生入試」を実施しています。中でも自分の得意な科目を1科目選択し、受験が可能なのが、「エクスプレス入試」です。今回は、2023年度2月3日実施された「エクスプレス入試」をレポートします。(写真:23年2月3日入試の風景)
2/3(金)エクスプレス入試が実施されました
▼8時開門。受験生たちは少し緊張の様子。入口には在校生や教職員によるあたたかいお出迎えがありました。
▼受付の周りには、受験生への応援メッセージが多く掲示されており、学校全体で受験生を応援しています。
▼受付が終了すると、ここで親子は別れます。受験生には在校生の先輩たちが試験教室まで、丁寧にご案内をします。先輩から「緊張してる?」「ゆっくりで大丈夫だよ」など声をかけてもらい、受験生たちの表情も和らいでいました。そんな先輩と共に入試会場に向かうわが子の背中を祈るように見守る保護者の姿に、ここまでの親子の歩みを感じます。
▼受験生が戻ってくるまで、保護者は暖かい保護者控室で待つことができます。あたたかい飲みものやお菓子の準備もあり、中村中学校のきめ細やかな心配りを感じました。在校生の保護者が待機しており、学校生活などについて質問できます。
(写真:23年2月3日入試の風景)
エクスプレス入試とは
(写真:23年2月3日入試の風景)
エクスプレスとは、「表現する」という意味。各科目の特性を生かしながら、これまでの筆記試験の「読む」「書く」力だけでなく、「観る」「聴く」「伝える」力も問う入試です。特別な準備は特にいりません。1科目を選択して受験をします。
<各科目のポイント>
【国語】ディクテーション(聞き書き)、人間辞書(ことがらの説明)
【算数】計算問題、正誤判断の問題、折り紙を使った問題
【理科】実験を通して理科に関する知識、自分の考えを表現する
【社会】資料を使って街を紹介する壁新聞を作成
【英語】英語でことから紹介、4コママンガでストーリーテリング(物語を作る)、リスニング
エクスプレス入試(1)【国語】
エクスプレス入試【国語】では、ディクテーション(聞き書き)と人間辞書(ことがらの説明)が出題されました。
ディクテーションは、聞いた文章を正しく書き取る問題。計3回読まれました。1回目は普通の速さで読まれ、まずは聞いて文章全体の内容をつかみます。2回目は少しゆっくり読まれ、書き取ります。3回目はもう一度普通の速さで読まれるので、書き取った内容を確認、修正をし、最後に清書をしました。
(写真:23年2月3日入試の風景)
人間辞書は、ある言葉や文字について、それを知らない人にわかるように口頭で説明する問題。1問目は、ある言葉が示されそれをどういうものなのか知らない人に説明しました。2問目は、試験官の先生を電話の相手にして口頭で漢字を説明しました。
(写真:23年2月3日入試の風景)
エクスプレス入試(2)【算数】
エクスプレス入試【算数】では、「計算問題・一行問題」と「思考問題」が出題されました。いずれも、説明時間内に各自が各受験生に与えられたiPadで録画する方式でした。
「計算問題・一行問題」では、実際に問題を解き、それをどのように計算したのか、考えたのかをiPadに向かって説明しました。
(写真:23年2月3日入試の風景)
思考問題は、2種類出題されたました。1種類目は、文章題の解き方が正しいか正しくないかを判断し、判断した根拠を説明する問題でした。2種類目は、紙を折ったり切り取ったりしてそれがどうしてそうなるのか、どのように考えたのかを説明する問題でした。
(写真:23年2月3日入試の風景)
エクスプレス入試(3)【英語】
エクスプレス入試【英語】の試験内容は、「○○紹介」「ストーリーテリング」「リスニング」「振り返り」でした。求められる英語レベルは英検4~5級(一部3級)となりました。
「○○紹介」では、身近なものを英語で紹介をしました。「ストーリーテリング」では、4コマまんがの一部の内容を英語で説明しました。いずれも、説明時間内に各自が各受験生に与えられたiPadで録画する方式でした。
(写真:23年2月3日入試の風景)
「リスニング」では、物語を聞いてあらすじと自分の意見を日本語で表現しました。英語のお話を聞いて日本語のあらすじの( )をうめ、聞いたお話をもとに自分の考えたことを日本語で書きました。「振り返り」では、すべての活動の中で補いたいものを日本語で記入しました。英語を使用してもよく、スペリング間違いの減点はないとのことでした。
(写真:23年2月3日入試の風景)
得意や武器を発揮できる 中村中学校の新タイプ入試
中村中学校では、前述した「エクスプレス入試」など、一人ひとりの可能性を見つける「新タイプ入試」を積極的におこなっています。子どもたちは、それぞれの得意や武器が異なります。だからこそ、ひとえに「入試」と言っても、一人ひとりが異なる個性を発揮してほしい。そして、入学してからもそれぞれの得意を活かした集団を目指したい。これこそが中村の「新タイプ入試」の実施目的です。江藤教頭先生は、「ある一定の水準を超えた上で得意や武器が異なる生徒が集まることで、さまざまな刺激を与えたり受けたりすることができるようになります。中村中学校は、そんな集団・空間を生徒と教員でつくっていくことを目指しています。」と語ります。
▼(映像)2023年中学入試について
中村で身につく力
中村中学校・高等学校では、正解のない問いに向き合い『機に応じて活動できる女性』の育成を目指しています。そのためには、「EQ」「認知型学力」「非認知型智力」をバランスよく身に付け相乗効果を図っています。少人数制での一人ひとりへのきめ細かい学習指導と、様々な物事を地球規模で考え足元から行動する力を、日々の学校生活の中で楽しくそしてワクワクしながら仲間と共に身につけられる中村中学校・高等学校の教育。中村は、これからの社会で活躍するために必要な力を中高6年間で自然と培うことができる、最良の環境と言えるでしょう。ぜひ1度足を運んでみてほしいと思います。
▼(映像)中村で身につくチカラ