駒込中学校・高等学校2022 Light up your world
志を高く揚げ、友情の輪を広げ、認め合い、支え合い、楽しく愉快に努力する
今回は、駒込高等学校の取り組みをご紹介いたします。
一隅を照らすLight Up Your World
一隅を照らすとは、最澄の言葉で、「一人ひとりが自分のいる場所で、自らが光となり周りを照らしていくことこそ、私たちの本来の役目であり、それが積み重なることで世の中が作られる」という意味
それぞれの生徒が「一隅を照らす」ことの尊さを知り、かけがえのない存在であることを認め合い、未来に向かって向上心を持って生きて欲しい。
私たちは宇宙からみると、点のような小さなところ(一隅)で生きています。たとえ小さくても私たち一人ひとりがこの一隅でお互いが、かけがえのない貴い存在を認め合い、さらなる向上心を持って生きていく。そうしていくことで、いじめも、いじわるも、はずしも、暴力も、ハラスメントも一切ない「平和のロンド(輪)」の学園ができ、志を高く揚げ、友情の輪を広げ、認め合い、支え合い、楽しく愉快に努力する、そういったことが自然に身につき、個々に考え自由に発想できる環境にある、駒込学園です。
AI時代の教育⇒駒込学園が力を入れているICTとSTEAM
ICT教育 主体的な学びを推進するICT教育
教師が一方的に教える授業ではなく、生徒がICTを使いながら主体的に学び、学力を伸ばすことがICT教育を進める大きな狙いです。
教室には電子黒板、生徒それぞれにはタブレット端末を導入。アクティブラーニング型授業での活用。自宅でPCやタブレットで学習できるスタディサプリの活用。より効果的に、生徒一人ひとりに指導することを可能にする。
STEAM教育
AI時代を生き抜く力、何ができるかを考える力、正解のない課題に自ら正しい方向を見出していく力。これらを身につけるために考え、発表し、意見を求め合う授業。
オリジナルキットとソフトを使ったプログラミングで、身近な課題を解決していく。「国際STEM CAMP」を通じて、海外の学生たちと共に被災地の課題を解決するロボットプログラミングに取り組む。
駒込中学校・高等学校 校長 河合孝允先生より
現在全ての産業がAI化されてきます。その時教育がどうなっているかといえば、今生徒が持っているスマホ、これにAIが搭載される。そうなってくるとすべての知識は、一発でそこから取り出すことができる。教師が不要になる。しかし、知識はそれで取れるが、それをどう活用するか、という能力を養わなければならない。全ての学力の基本は読解力であるが、日本の読解力は世界で15位まで落ちている。起承転結の読み方が衰えている訳ではなく、その文章はフェイクかどうかを読み取る力がない。要は、現在の国語教育では情報能力を伸ばすような授業をやっていない、からである。情報の授業はあってもコンピュータを操作するだけの授業が多く、読解力に結びつけた情報活用能力を伸ばす授業が展開されていない。これを新しくするには探究学習に切り替えていくわけです。
人生は如何に生きるべきか、なんていう課題に対して、こうあるべきだなんて言ったら、価値の押しつけになってしまう。だから、いろいろな選択肢を自分なりに今ある知識で活用して、どんな立派な人が言おうと賛成だとか反対だとか批判の意見を、思考力、判断力、表現力という新しいスキルで評価していく。
今企業がニーズと簸て必要なのは、そんな即戦力になる学生です。そのためには誰もやらないから自分がやる、というハイリスクハイリターンのリスクの取れる生徒を養成しなくてはいけない、型にはめた教育では身につかない。
人間教育 比叡山延暦寺とハブノード
人間教育 現代社会で必要不可欠な正しい心の力「自己への気づき学習」を目的として、仏教修行生活を体験する日光山研修と比叡山研修。非日常的な体験を通じて自分と向き合い、利他の心を持つ人材を育成します。
駒込中学校・高等学校 校長 河合孝允先生より
人間的な情として繋がっていけば、みんな良い子に育っていくでしょう。仲良くしろと言ってるんじゃないですよ。個人を持て、と言ってるんですよ。私は私でいいという感覚を持って、そして、あのこと私は違うからこそ友達だ、というように、異質の認知のできる能力を持った子どもを育て上げる。これが難しいんですよね。仲間同士だったらすぐに仲良くなるんだけれどね。で、その異なった正反対の子どもたち、一人でぽつんとしている子と、群れで騒いでいる子を繋げる異質な子が必要でしょ。これを「ハブノード」というんですよ。「繋がりの拠点の子ども」ね。ハブノードの子どもたちをどれだけ増やせるか、が勝負になってくる。そういう子がいると、クラスのみんなが仲良くなってまとまってくる。その子がいるだけで明るくなるじゃない。
学校が変わるというのは、セルフ・コントロール能力のある子どもたちが増えるという事。この子どもたちは、自発的に自学自習ができるから、結果偏差値が高くなる。だから偏差値を求める必要がないわけで、そういう子どもたちをどう育てあげるか、というところに教育の中心をおいていけば、自学自習タイプが生まれてきて、デンマーク並に、先生がいなくたって、自分の好きな勉強を好きなだけやるという子どもが生まれてくる。
比叡山研修で夜間40キロもあるかせる、いじめている訳ではないですよね。そういう色んな体験をしながら、遊びの部分も育てていく。比叡山研修は「気づき学習」でもあるから、こんな苦しいこと、こんな体験をなぜさせられるのか、という答えは言いませんよ。自分で考えて結論を持ってきなさい、ですよ。歩き切って根本中堂まで辿り着いた時に、はっと気づくわけですよ。自分はこれまで、嫌なこと・苦しいことから逃げていた。それをお母さんがすべてやってくれていた。「お母さん産んでくれてありがとう」って書くわけね。すると親は感動する。そういう親子関係で、校内のいわゆる思考現象生徒指導現象が消えていってほとんどないですね。生徒が自分で自分を作っていってくれるから、教師が説教をしていい学校を作るなんていう発想はもう必要ないですよ。だから、可愛がっていればいい子になるってことです。
教師がどう変わったかというと、叱りつけていた言葉が丁寧語になり、これやってくれますか、できましたか、とか、点検になったので、生徒たちも気持ちよくはーいとかいってやっていますよ。それが一番変わったところでしょうかね。
取材後記
駒込学園での「気づき学習」は、わかっていてもなかなか実践できないことが多いという学校があるなかで、実践し結果が出ているのが駒込学園の特色だと思います。ぜひ体験等参加していただき受験校の候補として検討していただきたいと思います。
(担当:青木)
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