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かえつ有明中・高等学校2022 「高校新クラス」

写真:高校新クラス プロジェクト科 先輩との対話 / 校舎


今回は、高等学校を紹介いたします。

かえつ有明のシン・クラスとは

東京都江東区、りんかい線東雲駅より徒歩7分の立地にあるかえつ有明中・高等学校。高校では、2015年度に「高校新クラス」を開設しました。2022年を迎える今でも「新クラス」と呼ばれるのは、常に進化し続ける教育に所以があります。ここではどんな教育が行われ、どんな生徒が生まれるのでしょうか。今回はこの「高校新クラス」にスポットを当てて紹介させていただきます。ここには様々な「シン・〇〇」がありました。

シン・コミュニケーション

高校新クラスでは、「対話」に重きを置いています。あらゆる活動において対話を行っていますが、特に注目すべきは頻繁に行われる「互いの内面をシェアする」対話の時間です。ここでは、ポジティブなこともネガティブなことも全部出しながら、一人ひとりが向き合って自分というものを捉えなおしてまた前に進んでいく、といったことをしています。安心して自分の弱さを認め表現できる場所があることが、自己肯定感を高める1つのきっかけになっていると思います。

他者とのコミュニケーションの前に、まず「自分自身」との深い対話の時間を新クラスでは大切にしています。「本当の自分」って何だろう?口で言うほど簡単にたどりつくものではありません。自分のことなのに、いや自分のことだからこそ、さまざまなバイアスが邪魔をして、本当の自分を見えなくしているのかもしれません。そんなバイアスを1枚1枚はがしていく作業はとても時間がかかるし、痛みさえ伴うたいへんな作業です。新クラスではそこに一人で向き合うのではなく、クラスの仲間の力をかりながら、「本当の自分」の姿にせまっていきます。そしてそんな「自分」として他者と深く向き合う、真のコミュニケーションが始まるのです。

シン・ティーチャー

新クラスの教室は整然と机が並ぶ世界ではありません。たとえるなら混沌の森です。多様なものが存在し、関わり合い、日々新しいものが生み出されていく「創発の場」です。そんな場における教師の役割は「ともに探索する人」。前に立って教え導く人ではなく、生徒と同じ目線で、一緒に考え、受け入れ、見守り、そして共に成長していく、そんな先生が集まっています。

シン・スチューデント

新クラスの生徒たちは、多様な他者との深い対話を通して、自分の核となっている価値観に自覚的になり、かけがえのない自分自身の人生を生きるというたくましいエネルギーを持って、未来に向けて開拓を続ける人に成長していきます。他の誰でもない、今の自分だからこそ描ける世界の姿の実現に向けて、具体的な行動が始まります。自分自身を生き生きと表現し、世界とつながり、新しい価値を創造する。新クラスの生徒はひとり一人がそれぞれの個性を活かしながら、未来のクリエーターとして今日も世界に発信し続けています。

今回取材しに学校にお邪魔した際、案内してくださったのは副校長の佐野和之先生。先生に連れられて校内を歩いていると、途中で様々な生徒が佐野先生に話しかけ、プチ対話をしていたのが非常に印象的でした。「今度〇〇しようと思ってるんだけど、先生どう思う?」とか、「ニュースで〇〇のことをやっていて気になったから、こんなプロジェクト立ち上げたいと思います」とかいうレベルの会話が日常的に行われています。先生はそれに対してどんなことでも受容し、「やってごらん」というスタンスです。

対話し、シェアし、相手を受け入れる、というのが本当に浸透しているのだなと感じました。主体的に学び、協働して、何かを創造する、自己肯定感の高い人間。そんな成長が高校新クラスではできると思います。

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