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受験情報ブログ

2月3日PM、かえつ有明中・高等学校のAL思考力特待入試にお邪魔しました。

「入試じゃないような入試を目指そう」かえつ有明中学校のAL思考力入試

東京都江東区、東雲駅徒歩8分のかえつ有明中・高等学校。受験生の集合時刻は14時30分ですが、今回は先生方のご厚意により、直前のミーティングも拝見させていただくことになりました。 (取材・撮影/北岡優希)

和やかな雰囲気は事前ミーティングから

ファシリテーターを務められる斎藤先生が、「入試じゃないような入試をしましょう」と言われていました。ミーティングからして笑いが起きるような和やかな雰囲気で、受験生たちを温かく迎えようという気持ちが学校全体として行き渡っている感じがします。

自然と自己紹介を始める受験生たち

集合時間になり、受験生たちが入ってきます。会場である1階カフェテリアは歓迎のムードでいっぱいに。まずは距離を取りつつ1箇所に集められ、事前説明を受けます。前後左右を確認し、知り合いがいないかをチェックし、ここでグループ分けが行われます。

1グループ5-6人でそれぞれのテーブルに着席。すでに和やかな雰囲気が出来上がっているため、受験生たちは特に緊張することもなく、自然とグループ内での会話も生まれています。まだ特に何も言われていないのに、「好きなものは何?」とか「何部に入ってたの?」などの自己紹介のようなものが行われていました。

1グループの席にはそれぞれ1人の先生がつき、ガイドを行います。事務的な話だけでなく、場を盛り上げたり1人1人に話しかけたりなどの気遣いも行っており、完璧な対応です。

自己紹介の後、まず行われたのは「共通点じゃないもの探しゲーム」。グループ全員がそれぞれ違うものを探すというゲームです。これはそれぞれが会話をしなければ答えにたどり着かないものなので、自然とコミュニケーションができ、またそれぞれの性格などもわかってきます。

まずはドミノチャレンジ

ここまでがプロローグで、その後プログラムが始まっていきます。まず行われたのは「ドミノチャレンジ」。グループごとにドミノが配られ、それを制限時間内に並べて倒し、全て倒れるまでの時間が一番長かったチームが勝利、といったものです。並べる前に作戦会議をする時間が与えられます。

このあたりで相当な盛り上がりになります。みなリラックスしており、それぞれの本当の性格が見えてきました。チェックする先生たちも、受験生たちを様々な角度から眺めようと、移動を活発に行っています。

メインプログラム、ゴールドチャレンジがスタート

そして最後に「ゴールドチャレンジ」というものが始まります。このゲームの目的は「できるだけたくさんのお金を稼ぐこと」。グループごとに「北米」や「アフリカ」など地域が決められ、「資源」と「道具」とルールが書かれた紙が入った封筒が渡されます。受験生たちはグループで話し合いながら、与えられた「資源」から売れる「製品」を作り、「マーケット」に持っていって売り、お金を増やしていきます。

しかし、ただ作って売ればいいというものでもありません。定められた地域でもともと持っている資源や道具に違いがあります。例えば「北米」は最初から資源も道具も豊富ですが、「アフリカ」はどちらも少ない状態からスタートします。その場合アフリカは他の地域から道具を借りて製品を作らなければいけません。

またリアルなことに、途中で製品の価値が暴落したり高騰したりします。受験生たちは製品を売るタイミングも見定める必要があります。

振り返りの時間もグループワークで

ゴールドチャレンジが終わると、振り返りの時間になります。今回のゲームで受験生たちに感じてほしいことは、お金儲けの方法ではなく、それぞれの地域での「差」ということ。「世界から『差』がなくなったらどんな世界になるのか話し合おう」というテーマで、グループで各自話し合いホワイトボードに書き出していきます。

これと同じような情景を、「SDGsをテーマにした授業」として別の学校で高校生がやっているのを見たことがあります。それをすでに受験の時点でやっているということは、かえつ有明では非常に高レベルな探究型の学習が行われているのだと思いました。

「新タイプ入試」をリードし続けていく学校

そして最後に、本日全体の感想を書きます。ファシリテーターの斎藤先生からは、

「『差』という言葉にはネガティブなイメージがあったと思うけれど、今日のゲームを通じて『差』というものについて深く考えることができたと思います。みなさんはこれから中学生になりますが、人と比べることで自分が嫌いになってしまうことがもしかしたらあるかもしれません。でもそういう『差』を感じることで自分の内面が成長できるきっかけになるかもしれません。人と比較することで、自分が思った以上に頑張れるきっかけになるかもしれません。人と比べて落ち込むのではなく、よし、頑張るぞ、とプラスに考えられるように、『差』を楽しみながら、これからの中学生活を過ごしていければと思います。」

というお言葉がありました。この入試を受ける前と後では、受験生の今後の成長具合も変わってくるのではないかと思いました。

本日この入試を受けた受験生は64人、募集人数は10人と、割としっかり選別されます。そういったところからも、かえつ有明中・高等学校は現在増え続けている「新タイプ入試」をこの先引っ張っていく学校になるであろうと思いました。