2月1日午前、藤村女子中学校で「ナゾ解き入試」が行われました。
2月1日、コロナもなかなか落ち着く気配を見せませんが、都内中学入試は晴れやかにスタートしました。(取材・撮影/北岡優希)
東京都武蔵野市、吉祥寺駅徒歩8分の藤村女子中学・高等学校。駅を出てから通学路には先生方が要所要所で案内をしてくださっていました。
今回見学させていただくのは「ナゾ解き入試」。この非常にユニークな入試は去年から始まり今年2度目となります。
「謎検」と「脱出ゲーム型」の2部構成
今年度の受験者は8名。まずは通常の教室に集められ、8時40分から20分間の「謎検」とされる筆記型のペーパーテストを受けます。これまでの一般的な入試問題ではなく、まるでテレビでやっているようなクイズ形式の問題が並んでいます。それもかなり本格的なものです。問題の詳細をお伝えすることはできないのですが、テレビでよくやっているような「謎解きクイズ」のようなものを想像していただければと思います。
「謎検」後、休憩と移動を含めて9時15分から「脱出ゲーム型」のゲームが始まります。8人を4人ずつの2グループに分け、それぞれのテーブルに着席させます。
生徒たちはまだ緊張が抜けない感じがあります。しかしこれは想定内で、その緊張を解きほぐすための仕掛けは準備されています。
席に着くと、「連想ゲーム」のようなものを始めます。キーワードを密かに4人に伝えられ、それを漢字一字で表します。それを先生が見て、あてるというゲームです。2グループとも正解し、ここでようやく笑顔が見られるようになりました。「これはアイスブレイクで、評価には入れていません」と後で入試広報部長の芦澤先生が教えてくださいました。
いよいよ脱出ゲームの始まり
与えられたキーワードから連想する言葉を漢字一文字で表します。この写真の場合「コーヒー」が正解となります。
緊張が解けたら、いよいよ脱出ゲームの始まりです。各グループに暗号の書かれた数枚の紙が配られます。
受験生たちは、仲間と協力しながら各暗号を解読し、ミッションをクリアできれば成功。謎を解き明かすヒントは配られた謎解き用紙だけではなく、会場の至る所にもあります。会場内をよく観察し、解読のヒントとします。
ゲーム開始!受験生は思い思いの行動に
簡単な説明の後、受験生たちは思い思いの行動を開始します。じっくりと暗号を解きだす子、会場内を歩き回り足でヒントを探し出す子、情報をまとめて整理する子、など。監督の先生たちはそれぞれの受験生の動きを見ながら評価シートに記入していきます。
制限時間は45分。しかし時間がきても2グループとも答えにたどり着かなかったので15分ほどの延長をしました。ヒントカードというお助けカードのようなものもあるので、受験生たちは残りの時間頭をフル回転させて暗号を解いていきます。
延長のタイムリミットもきたため、そこで各自手を止めます。残念ながら今回は宝のありかを見つけられたグループはありませんでした。しかし大切なのはそこに至るまでの行動なので、目的が達成されなかったとしてもそこは大きな問題ではありません。
最後に答えの解説も
(※権利の都合上画像を加工しております)
でもこのまま答えを知らずに帰るのもモヤモヤします。ですので先生による答えの解説が行われます。通常の入試では絶対に考えられないことですが、この解説まで含めて「ナゾ解き入試」なのだと思いました。
ナゾ解き入試は今回で2年目ですが、昨年度ナゾ解き入試で入学した生徒は、一般入試で入った子に負けず劣らずの活躍をしているそうです。ということは、藤村女子中学校が定めたこの入試による評価システムは間違っていないということになります。単にテストの点数でない評価で入った生徒たちが今後どのような活躍をしていくのか、非常に楽しみであります。