得意なコトで勝負ができる品川翔英中のラーナーズ型入試《後編》
2022年2月1日と2月4日に、品川翔英中学校・高等学校(以下、品川翔英)ではラーナーズ型入試が実施されました。ラーナーズ型入試とは、今まで評価しにくかった「表現力やコミュニケーション力」などの非認知能力を評価する新しいタイプの入試です。今回は2月4日に実施された品川翔英の第2回ラーナーズ型入試の取材レポート《前編》をお届けします。〈取材・撮影・文/福原将之〉
自分の得意を生かせる品川翔英中のラーナーズ型入試
2022年2月1日と2月4日に、品川翔英中学校・高等学校(以下、品川翔英)ではラーナーズ型入試が実施されました。2022年2月1日と2月4日に、品川翔英中学校・高等学校(以下、品川翔英)ではラーナーズ型入試が実施されました。ラーナーズ型入試とは、今まで評価しにくかった「表現力やコミュニケーション力」などの非認知能力を評価する新しいタイプの入試です。受験生は自分の得意なコトに合わせて、いくつかの試験方法から自由に選択できる入試となっています。試験方法は(1)自己PRプレゼンテーション入試(2)プログラミング入試(3)グループワーク入試(4)英語インタビュー入試の4つが用意されています。まさに個別最適化された入試と言えるでしょう。今回は2月4日に実施された品川翔英の第2回ラーナーズ型入試の取材レポートをお届けします。
この《後編》では、《前編》の(1)自己PRプレゼンテーション入試の様子に続いて、(2)プログラミング入試と、(3)グループワーク入試の様子をお伝えします。
ドローンを操作するプログラミング入試
ラーナーズ型入試のプログラミング入試では、与えられた課題に沿ってプログラミングを行い、機器を作動させるという形式で行われます。今回の入試で使用する機器は、タブレットでプログラミングができる小型ドローンになります。
プログラミング入試は、次のような流れで行われました。
- 入試方法とドローンの操作説明(20分)
- プログラミング実習(50分)
- 振り返りシートの記入(10分)
プログラミング入試の最初は、ドローンをプログラミングするための講義が行われます。ドローンを扱うのが初めてであっても、プログラミング(Scratch)の経験があれば対応できるように配慮がされていますのでご安心ください。
プログラミング実習では、ドローンを用いた3つの課題に取り組むことになります。与えられた課題は、ドローンに指定の動きをさせるプログラミングを作ることだったり、黒板に貼られている犬の写真をドローンで空撮することだったりします。試験の評価基準は、自己PRプレゼンテーション入試と同様、事前に受験生に公開されています。
試験で印象的だったのは、複雑なプログラミングをする前にはフローチャート(手順書)を書くよう指示されていた点です。プログラミングのスキルだけでなく、プログラミング的思考力が求められる試験となっていました。
実習中、受験生は非常に集中して課題に取り組んでおり、課題をクリアすると嬉しそうな表情を浮かべていました。
SDGsの課題に取り組むグループワーク入試
ラーナーズ型入試のグループワーク入試では、与えられたテーマに沿ったグループワークを行い、成果物の発表を行うという形式です。受験生たちは感染症対策のため、フェイスシールド・マスク・ビニール手袋をつけてグループワークを行いました。
今回のテーマは、「世界中の人が安全な飲み水を手に入れられるために自分たちができることを考える」です。SDGsの目標6に関係する内容ですね。
グループワーク入試は、次のような流れで行われました。
- グループ分け・教室移動(5分)
- 自己紹介(5分)
- 試験問題配布・確認(5分)
- インターネットを使った課題事前準備(5分)
- グループワーク前半(30分)
- 休憩(5分)
- グループワーク後半(30分)
- プレゼンテーション(5分)
品川翔英のグループワーク入試で興味深かったのは、「インターネットを使った課題事前準備」です。課題に関する事例を調べたり、知識不足を補ったりすることができます。
グループワーク入試の評価基準にICT活用は含まれていないことから、品川翔英はICTを特別なものではなく、文房具のような「当たり前のもの」として捉えているのでしょう。
品川翔英のICT教育のレベルの高さが伺えます。インターネットでの調べ物は、グループワーク前半まで行うことができます。
インターネットを使った課題事前準備の時間が終わると、いよいよグループワーク開始です。
最初、受験生たちは緊張した面持ちでしたが、時間が経つにつれて打ち解けていき、自分の意見を積極的に発言するようになりました。取材をしていて驚いたのは、受験生たちが意見を出してまとめる際に、付箋を活用したブレインストーミングを行なっていたことです。
もちろん、試験官の先生からそのようなレクチャーがあったわけではありません。小学校でもたくさん協働的な学びをたくさん経験してきたのでしょう。素晴らしいですね。
5分間の休憩を挟んでグループワーク後半になると、受験生たちは模造紙に自分達のアイディアをまとめる作業に取り掛かりました。
どのようにまとめたら分かりやすいか、どのようにしたらアイディアが伝わるかを、お互いに尊重しながら話し合って決めている様子でした。
このグループワークではリーダーシップ、フォロワーシップ、そして相手の意見を聞く姿勢が評価ポイントなのですが、どの受験生も素晴らしかったです。
グループワーク入試の最後は、成果物の模造紙を使ったプレゼンテーションです。
誰が何について発表するかは、もちろん事前に打ち合わせ済みです。スムーズに分業しながら、グループで話し合ったアイディアについて分かりやすく説明してくれました。
5分間の発表が終われば、これで試験終了です。長時間、お疲れ様でした。
対策は品川翔英の入試体験講座がおすすめ
品川翔英のラーナーズ型入試はいかがだったでしょうか。興味を保たれた受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
品川翔英ではラーナーズ型入試の体験講座を毎年開催しています。入試スタイルに慣れるという意味だけでなく、コミュニケーション能力や思考力を鍛える機会としても、品川翔英の入試体験講座はとてもお勧めです。
参考までに、2021年度の入試体験講座は8月、11月、12月、そして1月に開催されました。興味のある方はぜひ、品川翔英の学校ホームページをご覧ください。