得意なコトで勝負ができる品川翔英中のラーナーズ型入試《前編》
2022年2月1日と2月4日に、品川翔英中学校・高等学校(以下、品川翔英)ではラーナーズ型入試が実施されました。ラーナーズ型入試とは、今まで評価しにくかった「表現力やコミュニケーション力」などの非認知能力を評価する新しいタイプの入試です。今回は2月4日に実施された品川翔英の第2回ラーナーズ型入試の取材レポート《前編》をお届けします。〈取材・撮影・文/福原将之〉
2022年2月1日と2月4日に、品川翔英中学校・高等学校(以下、品川翔英)ではラーナーズ型入試が実施されました。2022年2月1日と2月4日に、品川翔英中学校・高等学校(以下、品川翔英)ではラーナーズ型入試が実施されました。ラーナーズ型入試とは、今まで評価しにくかった「表現力やコミュニケーション力」などの非認知能力を評価する新しいタイプの入試です。受験生は自分の得意なコトに合わせて、いくつかの試験方法から自由に選択できる入試となっています。試験方法は(1)自己PRプレゼンテーション入試(2)プログラミング入試(3)グループワーク入試(4)英語インタビュー入試の4つが用意されています。まさに個別最適化された入試と言えるでしょう。今回は2月4日に実施された品川翔英の第2回ラーナーズ型入試の取材レポートをお届けします。
この《前編》では、(1)自己PRプレゼンテーション入試の様子を、続く《後編》では、(2)プログラミング入試と、(3)グループワーク入試の様子をお伝えします。
カリキュラムポリシーに基づいたラーナーズ型入試
品川翔英のラーナーズ型入試とは、学校のカリキュラムポリシーである「自主・創造・貢献」に基づいた入試方法です。自主的に未来を切り拓く力、新たな価値を創造する叡智、未来へ飛翔し貢献する心。ラーナーズ型入試は、こうした素質を持った生徒たちを評価し、受け入れるための入試となっています。
ラーナーズ型入試の名前の由来は、「学び続けるLEARNERS」から来ています。「学び続けるLEARNERS」とは、あらゆることを自分ごととして捉え、自分を律しながら、そして愉しみながら行動できる人のことです。同時に、他人の意見に耳を傾け、他人と協働しながら、批判的な思考力を持って新たな価値を創り出し、社会に貢献するよう尽力できる人のことです。品川翔英では、生徒たちが「学び続けるLEARNERS」になることを教育の目標としています。
個別最適化された品川翔英の入試
ラーナーズ型入試では、受験生が自分の得意なコトに合わせて試験方法を選ぶことができます。試験方法は(1)自己PRプレゼンテーション入試(2)プログラミング入試(3)グループワーク入試(4)英語インタビュー入試の4つです。
品川翔英ではラーナーズ型入試以外にも、通常の2科・4科選択型入試や4科の中から得意な2科で受験する得意選択2科型入試、算数1科型入試、適性検査型入試も用意されています。品川翔英の入試は、受験生一人ひとりが自分の得意なことで勝負ができる、まさに個別最適化された入試だと言えるでしょう。
ラーナーズ型入試は2月1日と4日に実施
品川翔英のラーナーズ型入試は2月1日と2月4日に実施されました。2月1日に実施された第1回ラーナーズ型入試では、自己PRプレゼンテーション入試に9名、プログラミング入試に12名、グループワーク入試に4名、英語インタビュー入試に5名、合計29名もの生徒が受験しました。2回目の2月4日のラーナーズ型入試では、自己PRプレゼンテーション入試に3名、プログラミング入試に1名、グループワーク入試に2名、合計6名の生徒が受験しました。個別最適化された入試ということで、初回である2月1日に人気が集中したようです。
今回は2月4日に実施された第2回ラーナーズ型入試のうち、(1)自己PRプレゼンテーション入試(2)プログラミング入試(3)グループワーク入試の3つを取材させていただきました。
個別最適化を体現する自己PRプレゼンテーション型入試
ラーナーズ型入試の自己PRプレゼンテーション型入試は、品川翔英の個別最適化入試を体現したような試験となっています。受験生は与えられた課題のもと、自分自身の得意なコトや取り組んできたコトを試験管の前でプレゼンテーションを行います。
自己PRプレゼンテーション型入試で与えられる課題は、例年自分自身をアピールしやすいものとなっています。今年の課題は「小学校高学年の時期に努力したこと、またはリーダーシップを発揮したことについて」です。得意なコトや取り組んできたことをアピールするには絶好の課題ですね。
課題は約1ヶ月前にホームページで告知されるため、受験生は事前に準備をして試験に臨みます。発表時間は5分、プレゼンテーションの方法はプレゼンテーションソフト・模造紙・実技のデモンストレーション、なんでもOKです。
特筆すべきは、入試の評価基準が受験生に公開されている点です(右の写真参照)。話し方や発表する姿勢、工夫点、内容などについて注意すべきところがルーブリックにまとめられています。受験生たちはルーブリックを参考にしながら、入試に向けてプレゼンテーションの準備を行うことができるのです。
【写真】自己PR プレゼンテーション入試のルーブリック評価表。品川翔英の公式ホームページ(https://www.shinagawa-shouei.ac.jp/jhhs/?p=1731)より引用
今回の取材では、3名の受験生のうちお1人のプレゼンテーションを取材させていただきました。
プレゼンテーションの内容は非常に個性的で、「運動会のために何百回と練習したバトンパフォーマンス」や「朝の挨拶隊・検温の手伝い」、「チアのチームでリーダーを務めた体験」といった内容でした。中には大人もびっくりするような実技パフォーマンスを披露してくれた受験生もおり、「得意なコト・努力してきたコト」が一目瞭然でした。
しっかりと準備をしてきたのでしょう、どの受験生も非常に堂々とした様子でした。
5分間の受験生によるプレゼンテーションが終わると、試験官の先生による質疑応答が行われます。
「たくさん取り組んできた中で一番努力したことはどれですか?」「リーダーシップで一番大変だったことを教えてください」といった質問が行われました。
特に印象的だったのは「発表してくれた取り組みは、品川翔英が大事にしている自主、創造、貢献のどれに当てはまりますか」という質問でした。品川翔英が入試で大切にしているものが伝わってきます。
得意なコトで勝負ができる品川翔英中のラーナーズ型入試《後編》
「得意なコトで勝負ができる」品川翔英中のラーナーズ型入試《後編》では、プログラミング入試と、SDGsの課題に取り組むグループワーク入試の様子をご紹介しています。