どうなる2017年入試。女子難関校の志望動向を探る!
いよいよ11月も終わり、数日で師走を迎えようとしています。来春2017年の首都圏中学入試の本格的なスタートまで、残り約40~70日となりました。すでに11月からは数校の帰国生入試も始まり、中学入試シーズンに差しかかったといってもいいでしょう。
首都圏の難関女子校の人気動向
首都圏模試センターの実施する小6向けの模試では、すでに11月23日(祝・水)に「公立中高一貫校模試」、11月27日(日)に「最難関模試」が実施され、小6対象の模試は残すところ、12月4日(日)実施の小6第6回「統一合判模試〈最終回〉」だけになりました。
来春2017年入試に向けてのラストスパートと志望校決定のために大切な模試が立て続けに行われてきましたが、小6受験生は、それぞれのめざす志望校に向けて、課題を克服すべく努力を重ねている時期と思います。
ここでは、前回11月3日(祝・木)に行われた小6第5回「統一合判模試」の志望状況から探る、来春2017年入試の動向について、首都圏の難関校(先の11/27「最難関模試」でメインの判定対象となっていた男子校12校、女子校12校、共学校12校)の人気動向を見てみましょう。
◆12月~1月中
まず今年12月~来年1月中の入試のなかでは、この2017年入試から新設された東邦大東邦の推薦入試に78名という多くの志望者が集まっています。男子も121名の志望者があり、募集定員が男女30名であることを考えると、かなりハイレベルの入試になりそうです。
1月10日以降の埼玉入試では、今春はやや志願者が減少した反動か、男子と同様に、栄東A日程の志望者の増加が目立ちます。女子の埼玉入試では最難関となる浦和明の星女子はやや志望者減。栄東〈東大特待Ⅰ〉、栄東B日程も志望者がやや減少しています。
1月20日からの千葉入試では、最難関の渋谷教育学園幕張①の志望者が微減。市川①は男子と同様に志望者の減少が目立ちますが、この2017年入試から新設された市川〈英語選択入試〉に、この時点で9名の志望者がいます。実際の入試ではさらに多くの志願者が集まることが予想されます。東邦大東邦〈前期〉は、男子とは逆に志望者がやや増加しています。
◆2月1日
しかし、他の模試の志望状況も合わせると、全体的にはほぼ前年並みの人気と見てよいでしょう。早稲田実業は前年と同数の志望者ですが、他の模試の志望状況と合わせると、志望者は微減と見てよいでしょう。
女子校では、すでに桜蔭、女子学院、雙葉に迫る高い難易度となっている洗足学園①の志望者の減少が目立ちます。他の模試でも全体に減少傾向が見られ、高い難易度がやや敬遠され始めた可能性もありそうです。鷗友学園女子①の志望者は微増。他の模試の志望状況も同様です。同校は今春2016年入試から、従来は3回(①2/1、②2/2、③2/4)だった入試回数を、2回(①2/1、②2/3)に減らしていますので、より絞り込まれたファン層によるハイレベルの接戦となりそうです。吉祥女子①の志望者は微増。他の模試の志望者は微減となっていますが、最終的に本来の大らかな校風の魅力が伝わると、さらに求心力を強めそうです。
◆2月2日
渋谷教育学園渋谷②は、やや志望者が増加しています。他の模試の志望状況を合わせると、ほぼ前年並みの志望者で、変わらぬ安定人気と見てよいでしょう。慶應湘南藤沢の志望者はここでは微減ですが、他の模試の志望者を合わせると、逆に増加傾向が見られます。十分に注意が必要でしょう。青山学院の女子は、ここでは志望者が微増ですが、他の大手3模試の志望者を合わせると、明らかな人気増加傾向です。来春3月には「教科センター型」の中等部新校舎も完成予定で、2017年入試の大学付属校人気を象徴する学校になりそうです。明治大学付属明治①の志望者はここでは微減ですが、他の模試では微増しており、相変わらず高い人気と見ておくべきでしょう。
◆2月3日
2月3日入試の女子の難関校では、共学校の最難関に位置する慶應中等部の志望者がやや増加しています。他の模試の志望者を合わせても人気増加傾向にあり、注意が必要でしょう。豊島岡女子学園②の志望者はほぼ前年並み。他の模試の志望者を合わせた全体としても安定人気と見るべきでしょう。鷗友学園女子②の志望者はここでは微減ですが、他の模試の志望者を合わせると、志望者の減少が目立っています。ただし、人気が下がったわけではなく、今年から2月3日入試に参入したことで、2月1日の最難関校をめざす受験生の併願校として、絞り込まれた優秀生による高いレベルの入試となっていますので、その変化を反映した志望動向となっているということでしょう。
横浜共立学園Aは、ここでも志望者が微増。他の模試では、ほぼ前年並みの志望者数となっています。明治大学付属明治②の志望者は前年と同数。他の模試の志望者と合わせても、ほぼ前年並みの人気と見てよいでしょう。志望者の平均偏差値が上昇していることも要注意です。学習院女子Bは、ここでは志望者が微増にとどまっていますが、他の模試の志望者を合わせると、志望者の増加が目立っています。かなり高い人気と難易度になることが予想されます。
◆2月4日以降
女子の後半戦には、まだ実際の入試のときのような多くの志望者は集まっていません。リアルな志望動向に近づくのは、12月の模試と考えてよいでしょう。他の模試の志望状況を合わせると、豊島岡女子学園③、吉祥女子③とも、志望者はやや減少傾向にあります。2月5日入試の洗足学園③も同様です。やはり女子は、できるだけ早い時期に合格を得ておきたいという願いが強いのでしょうか。ただし逆に見れば、こうした女子の難関校でも、前半戦でひとつ合格を取って、再度後半戦でチャレンジしていけば、意外に合格のチャンスが広がる可能性もあると考えられます。粘り強く受けていく覚悟があれば、ぜひ後半戦のチャンスにも目を向けていただきたいと思います。