11月志望者数に探る2017年公立中高一貫校の人気動向
いよいよ11月も中旬を過ぎ、来春2017年の首都圏中学入試の本格的なスタートまで、残り約50~75日となりました。すでに11月からは数校の帰国生入試も始まり、中学入試シーズンに差しかかったといってもいいでしょう。
都圏の公立中高一貫校の人気動向
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この後、首都圏模試センターの実施する小6向けの模試では、11月23日(祝・水)実施の「公立中高一貫校模試」、11月27日(日)の「最難関模試」、12月4日(日)実施の小6第6回「統一合判模試〈最終回〉」と、来春2017年入試に向けてのラストスパートと志望校決定のために大切な模試が立て続けに行われます。
ここでは、前回11月3日(祝・木)に行われた小6第5回「統一合判模試」の志望状況から探る、来春2017年入試の動向をご紹介します。まずは、首都圏の公立中高一貫校の人気動向を見てみましょう。
来春2017年入試の注目校であり“台風の目”ともいえる、横浜市立横浜サイエンスフロンティ高校の附属中学校は、男子48名、女子20名の志望者で、この時点では目立って多いというほどではありません。しかし、志望者の平均偏差値は、男子56.3、女子56.5で、同じ横浜で大人気の横浜市立南を上回っています。横浜サイエンスフロンティアの募集人数は男女80名と少ないことを考えると、かなり高いレベルになることが予想されます。
東京都内の公立中高一貫校の人気動向
東京都内の公立中高一貫校では、千代田区立九段の志望者が男女とも増えていて、とくに女子の人気増加が目立ちます。都立小石川も、男女ともに志望者が増えています。今春も東大14名合格をはじめ、高い大学合格実績をあげていることも人気の理由でしょうか? そのほか都立富士の男女、都立武蔵の女子、都立白鷗の男子などの志望者が微増となっています。
逆に、例年は女子に人気が高い都立白鷗、桜修館は、ともに女子の志望者が微減となっています。また、都立三鷹の女子の志望者の減少が目立ちます。都立武蔵の男子の志望者の減少が目立ちます。
東京近郊の公立中高一貫校の人気動向
神奈川では、県立相模原の女子の志望者の増加が目立ちます。逆に県立平塚の女子の志望者は減少が目立ちます。注目されるのは横浜市立南の女子の志望者の減少で、すでに非常に高い難度となっていることが敬遠につながったのでしょうか。
千葉県は、今春2016年に中学を開校した県立東葛飾が男女とも志望者をさらに増やしています。一方、今春入試では東葛飾の影響もあってか、実際の志願者を減らした県立千葉でしたが、今年の志望者は増加しています。千葉市立稲毛の男子の志望者も増えており、県内の公立中高一貫校は全体に人気増加傾向にあるようです。
埼玉では、さいたま私立浦和の女子の志望者がやや増えているほか、ほぼ人気は横ばいと見られます。茨城では、県立並木の女子の志望者がやや減少しています。これも高い難度となっている影響でしょうか。
適性検査を実施している一部の国立大学附属中学校
このほか、表の末尾には、公立中高一貫校と同じような「適性検査」を実施している、一部の国立大学附属中学校も紹介しておきました。東京大学教育学部附属の女子と、千葉大学教育学部附属の男女の志望者の増加が目立っています。
なお、上の表では11月3日「統一合判模試」での志望者数と前年比、予想偏差値などをご紹介していますが、11月23日(祝・水)に行われる「公立中高一貫校模試」は、また受験者層が大きく変わるうえに、志望校(併願校)なども変わってきます。偏差値も今回の「公立中高一貫校模試」特有のものを算出して使いますので、上記の志望動向は、あくまで参考にする程度にとどめてください。
実際に11月23日(祝・水)の「公立中高一貫校模試」を受けていただくと、私立中学受験生が中心の「統一合判模試」とは違った手応えや、新たな課題を発見できることと思います。