2020年以降の大学入試につながる総合型・論述型入試とは?
この1~2年で急速に多様化しつつある中学入試の新たな入試形態。そのひとつが「総合型・論述(記述)型入試」です。
2017年人気の高い女子校3が新しいタイプの入試を新設!
その典型が、〇共立女子、〇品川女子学院、〇光塩女子学院という人気の高い女子校3校が今春2016年入試から導入(新設)した、新たなタイプの入試といえるでしょう。→☆こんな小学生に来てほしい!11/3(祝・木)「新入試体験! 私立中コラボフェスタ」
まず、〇共立女子は、2月4日「C日程」入試を、従来の4科目入試から「算数+合科型論述テスト」に変更しました。〇品川女子学院は、2月4日「第3回入試」を、従来の4科目入試から「4科目・表現力総合型入試」に変更しました。
そして〇光塩女子学院は、7年前から第2回入試に4科目との選択の形で導入してきた「国・算+総合型入試」を、今春2016年から2月1日の第1回入試として「国・算+総合型入試」という形で独立させて実施しました。
「2020年大学入試改革」以降の大学入試を見据えて
現在の小学生(現在の中2以降)は誰もが当事者となる「2020年大学入試改革」以降の大学入試では、現在の「大学入試センター試験」に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」でも、科目の枠を超えた「合科型」の入試問題や、これまで以上に多くの「記述・論述式問題」が出題されることが文科省の打ち出した方向性にも明記されており、そこでは、従来の大学入試問題で問われた「知識・技能」に加えて、「思考力・判断力・表現力」を問う出題をすると明示されています。またその方向性や出題のサンプルを示した資料には「PISA型」の出題をするという一文も紹介されています。
さらには、それぞれの大学ごとのアドミッション・ポリシー(入試の出題方針)を明確化することが求められている各大学の「個別入試」では、それ以上に高いレベルでの小論文やプレゼンテーション、集団討論などを通して「主体性・多様性・協働性」までも問うという方向性が示されています。
そういう新たな大学入試につながる意味も含めて、中学入試で急速に増加した「総合型・論述(記述)型入試」は、近い将来、「AI(人口知能)」の発展によって激しく変化する社会で求められる力を育てるための、日本の教育の変化(=大学入試の変化)を、早くも反映したものです。あるいは、そうした変化にも十分対応できるだけの力を、中高6年間一貫教育で育てていくという、各私立中高一貫校の教育姿勢を反映したメッセージでもあります。
「新入試体験! 私立中コラボフェスタ」で体感してみよう!
この3校の人気女子校のうち、〇共立女子、〇光塩女子学院は、11月3日に和洋九段女子中高キャンパスで開催される「新入試体験! 私立中コラボフェスタ」にも参加し、それぞれ自校の「合科型論述テスト」「総合型入試」のエッセンスを、小学生にも無理なく取り組めるような「体験講座」の形にアレンジして、子どもたち自身に“体感”させてくれます。
そして、この〇共立女子、〇品川女子学院、〇光塩女子学院の先生方がそれぞれ、入試後に語ってくれた共通の感想が「受験生が心配したほど減らずに、予想した以上に多くの受験生がチャレンジしに来てくれた」ことと、「多くの受験生の記述答案が、思った以上に素晴らしかった」「粘り強く考えて、表現してくれた受験生が多かった」ということでした。
新たな入試形態にチャレンジする生徒の増加!
かつて(10数年前まで)の中学入試では、こうした科目の枠を超えた入試問題や、本格的な記述・論述型の入試問題を出題すると、どちらかというと受験生に怖がられて、敬遠されてしまいがちになる傾向もありました。
しかし、現在の小学生のなかには、こうした入試を通して、ひとつの科目の枠に縛られない「合科型の」出題や、ひとつの科目の考えだけでは考えられない複合的な問題(たとえば現実の社会の出来事など)の解決策を考えることに、自ら「取り組んでみたい」と思い、自分が表現した意見や考えを「評価されてみたい」と前向きに考え、こうした形式の入試にチャレンジしてくれる子どもたちが増えてきたようです。
これも、幼児期や低学年の頃から、各自の好きな、スポーツ・音楽・芸術などの習い事や英会話に打ち込んできたり、あるいは子どもたち同士の活動から多くを学べる集団活動(キャンプや自然体験など)に積極的に参加してきたことの副次的な成果なのかもしれません。
新たな入試形態を新設する私立中が急速に増加!
そして、〇共立女子、〇光塩女子学院は、来春2017年ではこの新たな「合科型論述テスト」「総合型入試」での募集定員を、それぞれ10名ずつ増やすことを早くから公表しています。
さらに、先の女子校3校以外にも、こうした「総合型・論述(記述)型入試」に含まれる形態の新たな入試をすでに導入している私立中や、来春2017年入試から新設する私立中が急速に増えていることに注目しておくべきでしょう。
「適性検査型入試」や「思考力入試」的な要素も含めて力が問われることが予想される、〇桐朋女子の2/2「論理的思考力&発想力入試」や、◎東洋大学京北の2/4「『哲学教育』思考力・表現力入試」などもユニークな新タイプ入試で、どのような出題がされるのか興味深いところです。
また、◎明治大学付属中野八王子が2/5PMという2月後半戦の午後に新設する「B方式《4科総合型》入試」も、」すでに多くの受験生が志望しています。
神奈川では、〇聖園女学院の2/3PM「総合力テスト」の人気が高くなっています。
また、奈良県の私学で東京入試も行っている◎西大和学園が、1/14に「21世紀型特色入試(専願。書類・課題作文と面接ほか)」(現地入試のみ)を新設したことも、関西(近畿)エリアではおそらく初めての動きで、今後の他校への影響も少なくないでしょう。この入試は京都大学の「特色入試」を参考に考えられたといいます。
「新入試体験! 私立中コラボフェスタ」和洋九段女子で開催!
11/3(祝・木)「新入試体験! 私立中コラボフェスタ」和洋九段女子で開催!
詳しくはこちらをご覧ください。
新たに総合型・論述型入試を実施する私立中〈新設一部〉
2017年入試で新たに「総合型・論述(記述)型入試」を実施する私立中学校〈新設入試のみ一部抜粋〉は上記の「資料はこちら」よりPDFファイルをご参照ください